• 著:江原啓之
  • 出版社:マガジンハウス
  • 定価:1100円(税込み)
江原啓之神紀行5 関東・中部
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書評データ


Sanctuary(サンクチュアリ)ということばが
日本語として使われ出したのはいつ頃からだろう。
私が子どもだった40年前にはなかった。
(と、思う)

私が初めてそのことばに出会ったのは
英文解釈の問題の中。30年ほど前。

辞書に確か「聖域」と書かれていたので
そう訳してはみたものの、意味は正直よく
わからなかった記憶だけが残っている。(^_^;;

今ならよくわかる。
「人里離れた厳しい自然の中に、
ひっそりと佇んでいる霊気漂う聖地」
くらいのイメージでほぼOKだろう。

そんなサンクチュアリを写真とともに
紹介していくシリーズ本の5冊目が本書。
関東・中部編。

たくさんのカラー写真とともに
その神社にまつわる歴史的な逸話や
ご自身の体験談を織り交ぜる。
硬すぎず軟らかすぎず、
生き方のヒントを
独特なやさしい語り口で聞かせる。
まるで江原さんとともに
旅しているような気分になる。
「神社」「神」「精霊」といったものに
自然に興味を持てる。

もし、あなたが私と同じグループに属するのなら
(世間では一般に『エハラー』と呼ぶ)
この本は非常に興味深く、頷きながら読めるだろう。

「波長の法則」
「想像力」
といった「キーワード」も無論登場する。

ただ私が一番感銘を受けたのは実はそちらでなく
「遠くにある聖地よりも近くにある氏神様を大切に」
という一節。(P.70)

本書の目的からすると逆行するような発言を
あえてするところに江原さんのお人柄を見る。

江原さんの著作をすでに何冊も読んでいる方々には
とくに新しい視点はないものの、日本人の精神的故郷
ともいえる「神社」「神話」がとても身近に感じられる。
日本人としての自分をもう一度見つめ直すよい機会を
与えてくれる良書。