日本人なら誰でも知っている昔話三話を「英語翻訳ソフト」で翻訳し、
今度は逆にその英語を「日本語翻訳ソフト」で翻訳し直す。
果たしてそれが最初の昔話に戻るかどうか、
という壮大な試み。

「かぐや姫」を「As soon as it smelled,princess」と訳すのは
「かぐや」を「かぐやいなや」と分析してるって事!?
翻訳ソフトの限界が見える。

昔、中学生に英語を教えている時に
「彼はテニスをしているところです」
という英作文を出題した。
一人の生徒が言った。
「先生、この『しているところ』は"place"でいいですか?」

あの時の「ショック」と新鮮な「オドロキ」が蘇ってきた。

IT業界はハードもソフトも10年前と比べたら
格段の進歩をとげているのに、「翻訳ソフト」
だけは、未だ最低限の用途にしか使い物にならない。
それほど「人間の言語」とは奥深いモノ。

本書は「1.原文」−「2.翻訳英文」−「3.翻訳日本文」
の3つの部分から構成されており、
2と3は並列して書かれていたのだが
1.原文が前ページに分かれて配置されている。

原文の挿絵は本来の物語をモノクロで忠実に再現し、
2-3は新たにうまれた物語をカラーの挿絵でシュールに描く。
この挿絵の奇抜さがまたおもしろさを一層際だたせる。

こうした構成からは仕方のないことであろうが
ある単語が原文ではどう表現されているのかを
ついつい興味が湧いて、
何度もページをめくり返さなくてはならなかった。
それがちょっと面倒。

が、何も考えずに1時間ほど、時間を潰すのには
もってこいの作品。
疲れた頭を癒すのにはちょうどよい。

「本が好き!」プロジェクト今年9冊目の参加作品。
私の中では★★(T.T)
これで今年に入っての通算成績は
5勝3敗1分。


匂いをかがれる かぐや姫 〜日本昔話 Remix〜
  • 著:原 倫太郎、原 游
  • 出版社:マガジンハウス
  • 定価:1000円
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