ひらがなも全部満足に書けない特殊学級の
一人の男の子が一人の先生に出会い、
そこから奇跡的に才能を開花させ、
卒業生総代の答辞を読む、
という絵に描いたような感動のストーリー。

主人公のかっちゃんは勉強もスポーツ万能の兄と何かと比較され、
親にも親戚からも全く疎んじられていた。

時計の見方がわからなくて母親から何度も大目玉を食う。
初め教えてくれていた兄も次第に面倒になって、
かっちゃんは誰にも相手にされなくなる。

わからなくなるところが普通の子とちょっと視点が違うのだ。
算数の記号の「+」「=」をなぜ「たす」「は」と読むのか?
「=」は漢数字の「二」にも見える。
懐中電灯の電池を入れ替える時「+」「−」を見て、
どうしてこんなところに算数が関係するのか?
等々。

だれもが相手にしないような質問に初めて
まともに相手をしてくれたのが
小五の春休みに出会った森田先生。

先生はかっちゃんのこうした質問に
「馬鹿にしたような態度はとらず、
こんなうれしそうにする人を見るのははじめてだったし、
ちゃんと考えて答えてくれようとしていることがうれしかったのだ」(P.129)
一寸の虫にも五分の魂。
特殊学級の子どもとはいえ心のある同じ人間。
肝に銘じておきたい。

こうして徐々に森田先生に心を開いていく。

これまで全く跳べなかった跳び箱を
たった30分で跳べるように指導してくれたり、
逆上がりを簡単にマスターできることで
信頼感は確固たるものとなる。

「運動も勉強も、何でもコツがあるんだ。
そのコツさえ覚えれば、たいていのことはできるようになる」(P.152)

また先生は、同じ間違いをしても決して怒ったり、
相手を否定したりはしなかった。
「間違えたら、またやればいいだけのことさ。
大切なことは『わかる』ということで、
それよりもっと大切なことは『考える』ってこと」(P.165)

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指導者というのは、
同じことを同じ人に400回言える人。
それでもダメなら900回。
それでもダメなら2000回言う。

途中で怒ってはダメ。
ただ1点、その人を信じて。

深い井戸ほど出た水はきれいなように
なかなか言うことをきけない人の方が
本当はすごいんだ、と信じて言い続ける
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といった斎藤一人さんの言葉を思い出した。

「一期一会」
たったひとりの先生との出会いで、
人ひとりの人生がこれだけ劇的に変化してしまう。
教師としての自分自身の人生に夢と希望と、
そして身震いするような興奮を与えてくれる良書。

「念を込めて」毎日学生に接していこうと改めて
決意させてもらえた。ありがとう!

今回もまた「本が好き!」すばらしい本に出会えました。

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「本が好き!」プロジェクト本年度11冊目の参加作品。
私の中では★★★★★
本年度戦績:7勝3敗1分
ホームラン\(^O^)/
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いや〜、読書って本当におもしろいですね。
それではまたご一緒に楽しみましょう。


ひまわりのかっちゃん
  • 著:西川つかさ
  • 出版社:講談社
  • 定価:1365円
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