突然ですが、「世界四大文明」を全部言えますか?
・・・
メソポタミア文明
エジプト文明
インダス文明
黄河文明
の四つ。

今回主人公になる「シュメル人」はこの中の
メソポタミア文明の立役者である。
肥沃な三日月地帯とよばれる、
チグリス川とユーフラテス川の間に住み
「楔形文字」を持ち、最古の都市国家を築いた。
それがおおよそ紀元前3000年。

本書は彼らの生活を膨大な文献から多岐にわたって
解説する。ただそこに書かれているのは
王侯貴族のそれであり、一般人の生活ではない。

一番印象に残ったのは父親と放蕩息子の話。
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「お前はどこへいっていたんだ」
「僕はどこへもいっていません」
「お前がどこへもいっていないんだったら、
お前はどうしてうろついているんだ。
学校へいけ。
先生の前に立って、お前の割り当てを暗唱しろ。
お前のかばんを開け、粘土板に書け、
助手にお前のための新しい粘土板を書いてもらえ。
お前が割り当てを終えて、監督官に報告をしたら、
私のところへ帰って来い。
通りをうろつくな。
お前は私がいったことをわかったか」
・・・
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5000年前も今と変わらない。(笑)

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マザコン・教育パパ・非行少年・商社マン・サービス残業
古代メソポタミアにすべて存在していた
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魅惑的なキャッチコピーが帯に書かれているが
「お気楽」な気持で読み始めると
手痛いしっぺ返しを食らうことになるだろう。(笑)

学者先生が書かれたものだけに、
学問的には正確なのだろうが
決して読みやすい物とはいいがたい。
「ウルナンシュ」「メンカウラー」「キエンギ」
「エンカゲル」「ルガルシャエングル」・・・
正確を期す余り、次から次へ舌を噛みそうな
カタカナの固有名詞が登場し、世界史に
苦手意識がある者はそれだけで退いてしまうだろう。
(例えば、うちの嫁)

歴史好きには魅力的な本だろうが
興味を持たない者を引きつけるには
ちょっと敷居が高すぎる気がする。

個人的には、建物の入り口付近によくある
「定礎石」の起源はシュメルにあるということと
山月記で有名な中島敦が楔形文字を題材にした
日本で唯一の小説「文学禍」を著した
というプチ雑学を知ったことも収穫かな。

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「本が好き!」プロジェクト本年度13冊目参加作品。
評価:★★★☆☆
本年度戦績:7勝4敗2分
ヒット
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五〇〇〇年前の日常―シュメル人たちの物語―
  • 著:小林登志子
  • 出版社:新潮社
  • 定価:1365円
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