いつの間にか秋である。
日中は暑いものの、空の雲も真夏のそれとは
明らかに違う。

大学は始まったものの、後期は朝から授業があるのは
水曜日だけなので、それ以外は毎日午前中は散歩し、
シャワーを浴びてから出勤する。恵まれた境遇。

秋と言えば、「和歌」である。

大学の時、私淑する渡部昇一先生の助言に従い
古今集を全部読んだ。
そしてその中から自分の感性にあうものを
ピックアップして「私家版古今集」を作った。
古今集全部で1111首のうち、30首のみ。
これが選りすぐりの私だけの「古今集」。(^_^)

それをルーズリーフに書き写し、
壁に貼って暗記した。

秋というと浮かぶのはこれ。
-------------------------
いつとても 恋しからずは あらねども
 秋の夕べは あやしかりけり
(よみ人しらず)

「いつだって恋しくないわけではないが、
ことさら秋の夕暮は胸がざわめく」
-------------------------

秋には関係ないが、◎がうってある歌
-------------------------
頼めつつ 逢はで年経る いつはりに
 懲りぬ心を 人は知らなむ
(凡河内躬恒)

「そのうちに逢いましょうなどと当てにさせておきながら
歳月がたってもいっこう逢おうとしない偽りの約束にも
まだ懲りないで、貴女のことを想っている、私の心の程を
わかってほしい」
-------------------------
こういうシチュエーションが多かったのだろうか!?(^_^;

もう一つ。
-------------------------
わが恋は むなしき空に みちぬらし
 思ひやれども 行くかたもなし
(よみ人しらず)

「私の恋は何もなかった空にさえ
満ちあふれてしまったらしい。
そのように想いやってもどこにも行く余地はないのに 」
-------------------------

わが青春時代はよほど片想いばかりだったとみえる。(^◇^;)
が、それもこれも今となっては貴重な体験である。
それらすべての経験が今の私を作っているから。