戦前の少年犯罪
Amazonで購入
書評/ルポルタージュ


昭和元年から20年までの膨大な新聞記事から
いわゆる「少年犯罪」抽出し、
その後それに簡単なコメントを施す形式で
まとめられている。300頁超の大作。

内容がすさまじい。目次だけあげてみる。
1 戦前は小学生が人を殺す時代
2 戦前は脳の壊れた異常犯罪の時代
3 戦前は親殺しの時代
4 戦前は老人殺しの時代
5 戦前は主殺しの時代
6 戦前はいじめの時代
7 戦前は桃色交遊の時代
8 戦前は幼女レイプ殺人事件の時代
9 戦前は体罰禁止の時代
10 戦前は教師を殴る時代
11 戦前はニートの時代
12 戦前は女学生最強の時代
13 戦前はキレやすい少年の時代
14 戦前は心中ブームの時代
15 戦前は教師が犯罪を重ねる時代
16 戦前は旧制高校生という史上最低の若者たちの時代

どれもこれも当時の新聞記事からの抜粋が
まず掲げられているので、説得力は抜群。
目から鱗が何枚も落ちる。

実際に若者たちと毎日接している身として、
「イマドキの若者は・・・」と十把一絡で
マスメディアが表現する若者像と自分が
接している若者たちとの著しい乖離を感じる日々。
さらに「少年犯罪は本当に増えているのか?」と
いう疑惑を薄ぼんやりとだが、ずっと抱えていた。

そうした疑念をものの見事に晴らしてくれた。

やはり時代は確実によくなっている。(^o^)

ただ内容がどれもこれもエログロ傾向が強いので
長時間読んでいると気分が滅入ってくる。
これだけの重い資料に目を通し、
データベース化された著者の労には頭が下がるが、
あえてひとつだけ難点をあげておく。

それは著者のコメントがブログの文体そのものである点。
ネットで読むにはちょうど良いが
本で読むにはちょっと軽すぎる感がある。
それはそれでよいと感じる方もあろうが
私自身はもう少し堅めの文体を使って欲しかった。
そうすれば大学の教科書としても使えるだろう。

その点を差し引いても、本書は十分、
「☆×5」の価値あり。

尚、著者はデータをそのままWEBサイトで公開してくれている。
少年犯罪データベース
またブログも書いておられる。
少年犯罪データベースドア
こちらだけでも一見の価値はあるだろう。