2007年11月25日
戦前の少年犯罪

戦前の少年犯罪
- 管賀 江留郎
- 築地書館
- 2205円
書評/ルポルタージュ


昭和元年から20年までの膨大な新聞記事から
いわゆる「少年犯罪」抽出し、
その後それに簡単なコメントを施す形式で
まとめられている。300頁超の大作。
内容がすさまじい。目次だけあげてみる。
1 戦前は小学生が人を殺す時代
2 戦前は脳の壊れた異常犯罪の時代
3 戦前は親殺しの時代
4 戦前は老人殺しの時代
5 戦前は主殺しの時代
6 戦前はいじめの時代
7 戦前は桃色交遊の時代
8 戦前は幼女レイプ殺人事件の時代
9 戦前は体罰禁止の時代
10 戦前は教師を殴る時代
11 戦前はニートの時代
12 戦前は女学生最強の時代
13 戦前はキレやすい少年の時代
14 戦前は心中ブームの時代
15 戦前は教師が犯罪を重ねる時代
16 戦前は旧制高校生という史上最低の若者たちの時代
どれもこれも当時の新聞記事からの抜粋が
まず掲げられているので、説得力は抜群。
目から鱗が何枚も落ちる。
実際に若者たちと毎日接している身として、
「イマドキの若者は・・・」と十把一絡で
マスメディアが表現する若者像と自分が
接している若者たちとの著しい乖離を感じる日々。
さらに「少年犯罪は本当に増えているのか?」と
いう疑惑を薄ぼんやりとだが、ずっと抱えていた。
そうした疑念をものの見事に晴らしてくれた。
やはり時代は確実によくなっている。(^o^)
ただ内容がどれもこれもエログロ傾向が強いので
長時間読んでいると気分が滅入ってくる。
これだけの重い資料に目を通し、
データベース化された著者の労には頭が下がるが、
あえてひとつだけ難点をあげておく。
それは著者のコメントがブログの文体そのものである点。
ネットで読むにはちょうど良いが
本で読むにはちょっと軽すぎる感がある。
それはそれでよいと感じる方もあろうが
私自身はもう少し堅めの文体を使って欲しかった。
そうすれば大学の教科書としても使えるだろう。
その点を差し引いても、本書は十分、
「☆×5」の価値あり。
尚、著者はデータをそのままWEBサイトで公開してくれている。
少年犯罪データベース
またブログも書いておられる。
少年犯罪データベースドア
こちらだけでも一見の価値はあるだろう。
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コメント一覧
1. Posted by つぶ庵 2007年11月26日 05:54
とがさん、おはようございます。
目次を見ただけでも事件の悲惨さが伝わってきますね。
でも、これらの事柄は今世間で問題になっていることと、
なんら変わらないはないですか。
最近犯罪の低年齢化が進んでいるといわれてますが、
戦前からも同様なことが数多く発生していたようですね。
むしろリンクに貼ってあったデータを見る限り、
明らかにその発生件数は多いですね。
少子化と言われていますが、それでもまだ戦前よりは、
青少年の数が多いと思いますから、
比率から見ましても圧倒的に現代の方が、
犯罪の発生が少なくなっているということですか。
これまた、マスコミの情報にだまされるところでした。
興味深い内容の本の紹介、ありがとうございました。
目次を見ただけでも事件の悲惨さが伝わってきますね。
でも、これらの事柄は今世間で問題になっていることと、
なんら変わらないはないですか。
最近犯罪の低年齢化が進んでいるといわれてますが、
戦前からも同様なことが数多く発生していたようですね。
むしろリンクに貼ってあったデータを見る限り、
明らかにその発生件数は多いですね。
少子化と言われていますが、それでもまだ戦前よりは、
青少年の数が多いと思いますから、
比率から見ましても圧倒的に現代の方が、
犯罪の発生が少なくなっているということですか。
これまた、マスコミの情報にだまされるところでした。
興味深い内容の本の紹介、ありがとうございました。
2. Posted by 本宮とが 2007年11月26日 11:33
つぶ庵さん、コメントありがとうございます。
なぜ昔は「教育勅語」が必要だったのか?
それはそうしなくてはいけないくらい
道徳的退廃が進んでいたから、というのが著者の
意見です。
実際本を読む限り、親の無関心・放任主義は
昔の方が遙かに過剰で、やはり
「衣食足りて礼節を知る」
が真実だな、と思います。
どんな世の中でも、不届き者はいるわけですし
マスコミ報道を見て、即「今の○○は〜」
という紋切り型の発想をせずにおきたいと思います。
一羽のツバメは夏を作りませんからね。
なぜ昔は「教育勅語」が必要だったのか?
それはそうしなくてはいけないくらい
道徳的退廃が進んでいたから、というのが著者の
意見です。
実際本を読む限り、親の無関心・放任主義は
昔の方が遙かに過剰で、やはり
「衣食足りて礼節を知る」
が真実だな、と思います。
どんな世の中でも、不届き者はいるわけですし
マスコミ報道を見て、即「今の○○は〜」
という紋切り型の発想をせずにおきたいと思います。
一羽のツバメは夏を作りませんからね。
