オタクコミュニスト超絶マンガ評論
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書評/サブカルチャー


私は半世紀近く生きてきて
夢中になったマンガは三作品のみである。
中学時代に、つのだじろうの「恐怖新聞
高校時代は、雁屋哲・池上遼一の「男組
大学時代は、ご存じ「ゴルゴ13
相当片寄った人間であることを白状しておく。

「右脳<左脳」
「マンガ<活字」
「テレビ<ラジオ」
型の人間である。

そんな私に指名書評のご依頼を頂いた。
一瞬躊躇ったが、こんな機会がなければ読むことは
絶対ない類の本なので、思い切って送っていただいた。
が、正直心配だった。
マンガだらけだったらどうしよう・・・

しかし杞憂に終わった。
「オタクコミュニスト超絶マンガ評論」
と読んでいたが、実際は
「オタクコミュニスト超絶マンガ評論
だった。
99%は活字。
中には司馬遼太郎や明橋大二まで登場していた。
うれしい誤算。

紹介されていたマンガの中で私自身が読んでいた
ものは一冊もなかったが、文章だけで楽しめた。
その意味で

> 「読者はその本を読んでいないのに、評論としておもしろく読める」
> ことを目標にしている(P.340)
という筆者の目標は十分達せられている。

ただ、著者の筆が最も活き活きと冴えてわたっている
(と、私には感じられた)のは、
「格差とは貧困の問題である」(P.172)
「ドグマの教育をこえて」(P.224)
「いま左翼と保守主義者は共同できるか」(P.324)
というマンガでない政治的評論だったのは皮肉というべきか、
コミュニストの面目躍如というべきか。

思想的には全く受け入れられないが、
「書評好き」なら読んで楽しめる。
ただ「マンガ好き」の「活字嫌い」には
オススメしない。
素直に原作だけ読んで楽しんでおく方が無難。

いずれにせよ、万人向けに推奨できる本
とは言いにくい。読者を選別するだろう。
よって、☆×3