善人は、なぜまわりの人を不幸にするのか―救心録
大学生の頃から愛読してきた曾野綾子の小説やエッセイ
から粋なフレーズだけを抜粋した著作。
いわばエッセンス。
半分くらいの作品はすでに読んでおり覚えている
箇所もあったが、忘れているフレーズも多い。
スピリチュアル系の本は大好きだが、
甘い理想を打ち壊すような、現実主義的な思想も
精神のバランスをとる意味で定期的に読まなくては
いけないと、個人的には思っている。
おしるこに隠し味として「塩」を入れると
甘さが一層引き立つように、私の中では曽野の作品群は
スピリチュアルな世界の味わいを否定するどころか
むしろ一層それを際立たせてくれる。
=========================
男でも女でも、かっとなる人はまず弱い人である。
かっとなった時には人間は攻撃的になり、
あたかも強者の如く見える。
しかしそれはヒステリー以外の何ものでもない。(p.57)
=========================
親は、時には休むことも子どもに教えた方がいい。
人間すべて両方できないと困る。
いいことしかしない人など退屈で誰もつきあってくれない。
大悪はいけないが、
小さな悪もできないようでは、面白くない。(p.79)
=========================
私たちは現実のただ中に常に生きているのである。
そこには限りなく善と悪との中間に位置する人生が
展開するだけである。
故にこの瞬間に、悪の姿が見えても、
私たちは絶望する必要もなく、
次の瞬間に善の輝きが見えても安心することはできない。
その葛藤の狭間に、私たちは育ち生きるのである。(p.126)
=========================
私たちは「人は皆善人」と教えられた幼稚で危険な
教育を受けている。「人は皆悪人」と教えられても
やはり片寄った貧しい教育を受けている。
「人はさまざま」という教育を受けたときだけ
安心していられる、と私は思っている。(p.137)
=========================
凧が空高く飛べるのは
だれかが糸を
引っぱっているから
でも凧は
その糸さえなければ
もっと自由に
空を飛べると
思っている
その糸がなければ
地上に
落ちてしまうのも
知らずに
・・・
凧の糸は、失敗、苦労、不運、貧乏、家庭に対する扶養義務、
自分や家族の病気に対する精神的支援、理解されないこと、
誤解されること、などのことだ。
それらは自由を縛るようには見えるが、
その重い糸に縛られた時に、初めて凧は強風の青空に昂然と
舞うのである。(p.158)
=========================
う〜〜ん、何とも深い曽野の洞察。
こういう懐の深さを大人の風情というのだろう。
スピリチュアルな世界もおもしろいが
こういうエッセイも味わい深くて好きだな〜。(^_^)
大学生の頃から愛読してきた曾野綾子の小説やエッセイ
から粋なフレーズだけを抜粋した著作。
いわばエッセンス。
半分くらいの作品はすでに読んでおり覚えている
箇所もあったが、忘れているフレーズも多い。
スピリチュアル系の本は大好きだが、
甘い理想を打ち壊すような、現実主義的な思想も
精神のバランスをとる意味で定期的に読まなくては
いけないと、個人的には思っている。
おしるこに隠し味として「塩」を入れると
甘さが一層引き立つように、私の中では曽野の作品群は
スピリチュアルな世界の味わいを否定するどころか
むしろ一層それを際立たせてくれる。
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男でも女でも、かっとなる人はまず弱い人である。
かっとなった時には人間は攻撃的になり、
あたかも強者の如く見える。
しかしそれはヒステリー以外の何ものでもない。(p.57)
=========================
親は、時には休むことも子どもに教えた方がいい。
人間すべて両方できないと困る。
いいことしかしない人など退屈で誰もつきあってくれない。
大悪はいけないが、
小さな悪もできないようでは、面白くない。(p.79)
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私たちは現実のただ中に常に生きているのである。
そこには限りなく善と悪との中間に位置する人生が
展開するだけである。
故にこの瞬間に、悪の姿が見えても、
私たちは絶望する必要もなく、
次の瞬間に善の輝きが見えても安心することはできない。
その葛藤の狭間に、私たちは育ち生きるのである。(p.126)
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私たちは「人は皆善人」と教えられた幼稚で危険な
教育を受けている。「人は皆悪人」と教えられても
やはり片寄った貧しい教育を受けている。
「人はさまざま」という教育を受けたときだけ
安心していられる、と私は思っている。(p.137)
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凧が空高く飛べるのは
だれかが糸を
引っぱっているから
でも凧は
その糸さえなければ
もっと自由に
空を飛べると
思っている
その糸がなければ
地上に
落ちてしまうのも
知らずに
・・・
凧の糸は、失敗、苦労、不運、貧乏、家庭に対する扶養義務、
自分や家族の病気に対する精神的支援、理解されないこと、
誤解されること、などのことだ。
それらは自由を縛るようには見えるが、
その重い糸に縛られた時に、初めて凧は強風の青空に昂然と
舞うのである。(p.158)
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う〜〜ん、何とも深い曽野の洞察。
こういう懐の深さを大人の風情というのだろう。
スピリチュアルな世界もおもしろいが
こういうエッセイも味わい深くて好きだな〜。(^_^)
コメント
コメント一覧 (4)
> 実は以前とがさんが曽野さんの本を紹介されていたのを見て、
> 数冊購入してあるのですが、まだ未読状態です。(^^ゞ
「積ん読」はりっぱな読書法です。
読みたくなったときが、その本が一番
必要なときですから、その時まで熟成させれば
いいのです。
その時にちゃんと自分が一番必要なヒントを
その本の中に見つけることができます。
読書も人生の他の側面同様「必然」です。(^_^)
お休み中もお忙しそうですね。(^_^;
C大学が一番上のクラス担当になったとのこと。
私も上クラスより、下クラスのほうが好きです。
PC苦手な学生から苦手意識をとって
「PCおもしろくなった!」と喜んでもらうほうが
性に合ってます。
でも上クラス担当になったと言うことは
そういうお役目が来たと言うことですから
そういう視点で頑張らないとね。(=^0^=)
な〜〜に、マッキー先生なら、そうなったら
そうなったで、きちんと仕事をこなされることは
わかってますから。(^_-)-☆
なかなか興味深い本の題名です。
そして、とがさんが言われているように、
とても的を得ていますね。
実は以前とがさんが曽野さんの本を紹介されていたのを見て、
数冊購入してあるのですが、まだ未読状態です。(^^ゞ
近いうちに読んでみたいと思います。
そして、本書も見かけたら購入してみます。
面白そうな本の紹介、ありがとうございます。m(_ _)m
お坊ちゃんのご卒業おめでとうございます。我が家も今年は娘二人とも卒業&入学で大忙しです。
曽野さんの本、昔読みましたがタイトルを忘れました。この本は非常に興味深いです。近々読みたいと思います。凧の話はかなり納得です。私自身自由になりたいと思いますが、自由ほど怖いものがないような気がします。
とりあえず、我が家の状況は小康状態、でも気が抜けません(ToT)/~~~。春になって、良い方向に向いてくれることを願っています。