「おくりびと」以来、わがブームとなっている、
小山薫堂さんの作品。
今まで読んだことのないパターンの本。

恋する日本語 (幻冬舎文庫)恋する日本語 (幻冬舎文庫)
著者:小山 薫堂
販売元:幻冬舎
発売日:2009-04
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4ページで一話が完結となる超ショートストーリー。
1ページ目に見慣れないある言葉が一語。
2ページ目に物語を連想させるイラスト。
3ページ目に1ページ目の言葉に関連する超ショートストーリー。
4ページ目にその言葉の意味。
こんな構成。

たとえば、「阿伽仏(あかだ)」
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熱を出して寝込んでいたら、
彼から電話がかかってきた。

「大丈夫? 何かほしいものある?」
受話器の向こうから
彼の優しい声が聞こえた。

「ううん、なんにも」
「遠慮しなくていいよ」

「本当に大丈夫。ずいぶん、
よくなったみたい・・・」

彼の声は、私の阿伽仏・・・。
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そして4ページ目の説明にはこうある。

【阿伽仏】あらゆる病気を治す薬

こんな言葉があることを初めて知った。
こうしたストーリーが35個も載っている。
「あえか」「紐帯」「赤心」「夕轟」。。。
そんな言葉から恋人たちの甘く切ない日常の瞬間を描き出す。
ページ余白もたっぷり取ってあり、
ストーリーというより詩集に近い。

日本語だって、フランス語に負けず劣らず
「愛」を語れる、オシャレな単語がたくさんある。
日本語の奥行きの深さを再認識させられる。
薫堂さんの筆力に脱帽。

一話読む度に静かに目を閉じて、
感慨に耽りたくなる。
読むだけなら30分で終わるが、
3時間かけて静かに味わいたくなる。

2009年度ブックレビュー#46