レシピ本ではない。
弁当作りで「人間力」が高まることを証明した本。

「一昨日の夕食は思い出せなくても、
弁当の思い出は、鮮やかによみがえる」
と表紙見返しにある。
確かにその通りだ。

私も中学時代忘れられない思い出がある。

ある日おかずのふたを何気に開けてビックリ。
一面に真っ黒い物体が!?
なんなんだ、これは。\(◎o◎)/!
おもわずフタを被せた。

もう一度、気を落ち着けてゆっくりフタを開ける。
・・・
そこにはただ真っ黒いシイタケのみ。
20コほど。
確かに私はシイタケは大好きだが、
シイタケの煮物だけの弁当はさすがに気恥ずかしく
その日だけは弁当箱を隠しながら食べた。(^_^;)

帰宅してから、母に話して、もう家族中で大笑い。
30年以上経った今でも時々「シイタケ弁当」の話になり、
息子も交えて大笑いになる。

本宮家の伝統で生涯一度は「シイタケ弁当」を食べないと
いかん、と冗談半分に息子を脅すと、シイタケの苦手な息子は
半べそをかきながら、頼むから止めてくれと懇願する。(笑)

30年以上も前のたった一度の弁当でこれだけ楽しい談笑が
できるのだから、弁当は偉大だ。

様々な人々の弁当にまつわる温かな思い出が綴られている。
弁当作りによって自分自身と周囲が徐々に変化していく、
エピソードの数々が心をふるわせる。

弁当で「子どもが変わる」「家族が変わる」「社会が変わる」
と表紙にあるが、決して誇張ではない。

心温まる一冊。本年度ベスト3に入る一冊。

2009年度ブックレビュー#90