学ぶ力を伸ばすお母さんの魔法
個別指導専門塾・塾長さんによる学習指導法。
学ぶ力を伸ばすお母さんの魔法―子どもが中学生になったら読む本 個別指導歴20年の塾長が教える子どものやる気を引き出す方法
- 谷澤潤
- エル書房
- 1365円

この手の書籍は、親が読んだあと子どもにも読ませて
そのまますぐに学習法が活かせる本と、
あくまで親目線で書かれた本で、
直接子どもが読むには馴染まない本がある。
前者はたとえば、「習慣を変えると頭が良くなる」や
「子どもに教えてあげたいノートの取り方」などがある。
本書は後者。
「子どもの成績は、お母さんの言葉で9割変わる!」に同じ。
同種の本が大概、難関大学・難関高校に
合格させるための効率的な成績アップの方法を
提示している例が多い。
ところが本書はこれとはちょっと趣を異にする。
それは著者が決して勉強が得意でない、
ことが一因かもしれない。(;´▽`A``
自分自身の体験を元に、
「勉強というのは大変な重労働である」
ことを大前提として生徒に臨む。
だから視線がいつもトップレベルより
中位から下位の子に向かっている。
その学力向上はお母さんが握っている、として
独自の理論を展開していく。
章別構成を見てみよう。
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第1章 困った!子どもがなかなか勉強しない!
第2章 考えることのできる子とできない子
第3章 子どもの反抗を親子の幸せに変える方法
第4章 誰もやっていない、魔法の接し方
第5章 まちがった対処をしていませんか―子どものタイプ別対処法
第6章 学力と性格を考えて塾を選ぶ―塾選びのコツ
第7章 私の生きがい―なぜ私は、塾をはじめたのか
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第5章「タイプ別対処法」では
どうしても勉強に向かない子には
勉強以外の道を見つけるべし、
と、教育に携わるものとしてはタブーとも
言えるヒトコトまで発している。(笑)
なかなか正直な塾長さんである。(;´▽`A``
塾の見方・選び方のコツも伝授する。
長く塾業界にいる者としては、それほど目新しい
情報ではないが、一般の方には新鮮な情報が
多いかも知れない。
全般的に、著者の知的正直さがにじみ出ており、
パッションにも共感を覚える。
成績が今一歩振るわず、子どもとの接し方を
模索しているような親御さんにお薦めしたい一冊。
2010年度ブックレビュー#056
コメント
コメント一覧 (2)
> 先日行われた期末試験ではボロボロだったようです。
高校のテストは科目数もテスト範囲も
中学の時とは比較にならないくらい
増えますからね。
よほど自覚を持って、臨まないと
悲惨な結果をむかえますね。(;´▽`A``
> 本人は一応気にはしているみたいなのですが、
> それでも真剣に勉強しようという気配は感じ取れません。(^^;)
まだ高一ですもの。
入試なんてまだまだ先のことと
思っているのでしょう。(^-^)
やみくもに「勉強しなさい!」ではなく、
「将来の何をしたいの?」からスタートして
「それなら今何をする必要があるのか」を
一緒に考えていくのがいいのでは。
以前ここでエントリしたNHKの「テストの花道」が
相変わらず興味深い放送を続けています。
そちらもおススメです。
我が家では毎週3人で見ています。(^○^)
>だから視線がいつもトップレベルより
>中位から下位の子に向かっている。
今回の本はまさにうちの娘にぴったりの本です。
高校入試が終わってからだれまくっている娘は、
先日行われた期末試験ではボロボロだったようです。
本人は一応気にはしているみたいなのですが、
それでも真剣に勉強しようという気配は感じ取れません。(^^;)
>勉強以外の道を見つけるべし、
ここのところは私も共感です。
娘は大学に行きたい意向があるようですが、
それに対しての勉強意欲はとてもいので、
勉強以外の道を探させたほうがいいのでしょうね。
今は大卒でも就職率が低いですから、
他の能力を磨いたほうがいいのかも知れません。
>成績が今一歩振るわず、子どもとの接し方を
>模索しているような親御さんにお薦めしたい一冊。
是非とも読んでみたい本です。
役立つ本の紹介をありがとうございます。