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高校3年の時だったと思う。
現代国語の先生が最後の授業で、
君たちの一番好きな言葉を一人ひとり前に出て
発表するように、と言われた。
その時に私が発表したのがこれ。

「君子は言(げん)に訥(とつ)にして、
行(こう)に敏(びん)ならんことを欲す」

君子たる者は、自分の生き方は口先でペラペラ語るのではなく、
行動によって示そうとするものだ、
位の意味。論語の一節。

論語は10代から20代の私にとって最も大いなる規範だった。
大学生の時、宮崎市定先生の『論語の新研究』が
論語の解説書としては一番素晴らしい、と言われれば、
即飛んで買いに行ったものだ。

もし当時、昔の寺子屋のように、論語を読み、解説してくれる
教室があったら、喜び勇んで通ったことだろう。
まさにそれを実践しておられる先生の講義録がこちら。
子供が喜ぶ「論語」
瀬戸 謙介
致知出版社 ( 2010-05 )
ISBN: 9784884748852
おすすめ度:アマゾンおすすめ度


論語から20節引用し、解説を加えている。
単なる字句の解釈にとどまらず、
現代社会の現象に照らして解説している点や
著者の主張が「教え」として色濃く反映している点が
いわゆるカルチャースクールの「論語を読む」
とは大きく趣を異にしている。
平成版の「寺子屋」なのだ。
実際に4歳の子どもも学んでいるらしい。

私的には、今では「論語」の生き方を目指してはいない。
残念ながら、それに従いたいとは思わない。
そうした生き方を立派だとは思うが、
自分の目標たりえない。
「正しさ」を追求する生き方は、
今の私には重く、息苦しい。
た「だ」しさよりた「の」しさを求めたい。
が、これはあくまで私の個人的嗜好。(;´▽`A``
本書の価値を下げるものではない。

学校での皮相的な字句の解釈に飽き足らない方、
学校の教科書以上の「論語」を学びたい方に
最適の「論語」入門書といえるだろう。

2010年度ブックレビュー#062