昇一先生の「日本人のための日本の歴史」を語り尽くす
シリーズの第6弾。今回は鎌倉・室町時代。


渡部昇一「日本の歴史」〈2〉中世篇―日本人のなかの武士と天皇
  • 渡部昇一
  • ワック
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本シリーズは近現代から古代に遡って発刊されているのが特徴。
既刊は、
1.戦後篇「混迷の時代に」
2.昭和篇「昭和の大戦」への道
3.明治篇 世界史に躍り出た日本
4.江戸篇 世界一の都市 江戸の繁栄
5.戦国篇 戦乱と文化の興隆

私は大学入試は世界史で受験した。
そのため日本史は高校の授業では1年間しかやっておらず、
圧倒的に常識不足を自覚している。

大学入学後、その不足を補うべく、
司馬遼太郎全集を必死で読んだ。

その甲斐あって、戦国時代と明治維新あたりの時代風景は
大体整理できた。
しかし、司馬が余り書いていない、鎌倉室町時代となると
残念ながら全く白紙同然。(^_^;)
山川の教科書なんて今さら読む気になれない。

そこを補うのに絶好の本書。
「点」としてのみ記憶している歴史的事実を
教科書では絶対語られない、
「フィギュアヘッド」「国体」等の用語を用いながら
裏の関係性を明示し、「線」でつないでくれる。

また学校では教わらない「神皇正統記」の意義や
さらに楠木正成の「七生報國」思想が
日本人DNAの中にいかに色濃く残っているかも
歴史的事例を挙げて解説する。

書いてある内容も引用する文献も恐ろしく高尚で、
専門的なのだが、昇一先生独特の語り部のような文体で
スムーズに頭に入ってくる。
教科書を補っても余りある一冊。

本シリーズもあと一冊を残すのみとなった。
第一巻古代篇。
サブタイトルは「現代まで続く日本人の源流」。
壮大なスケールで日本史から見た日本人を
語り尽くしてくれるに違いない。

2011年度ブックレビュー#003