中学だったか高校の頃だったか。
国語で新聞の社説を要約する宿題がよく出された。
社説を切り取り、ノートに貼り付け、
その横に何百文字かでまとめるもの。
私の最も嫌いな課題のひとつだった。

興味深い文章を読んでまとめるのならいい。
ところが、この「社説」とやらが
味も素っ気もない無機質極まりない文章で、
難しいことを偉そうな口調で語っていながら、
自分は決して当事者とならず
蚊帳の外から現実の社会を上から目線で
講釈を垂れるだけ。
全く非建設的で、自己満足なだけの文章で
読むのがこの上なく苦痛だった。

世の中は確かに暗いニュースが多いかもしれない。
しかし、それなら尚更、その中から数少ない
明るいニュースを探し出し、それを巷間に
広く知らしめ、世の中明るくしようと考えないのか!?
子供心に不思議でならなかった。

当時の私の疑問と同じ疑問を感じ、
私が求める社説を書いてくれている、
編集長さんがいた。


日本一心を揺るがす新聞の社説―それは朝日でも毎日でも読売でもなかった
  • 水谷もりひと
  • ごま書房新社
  • 1260円
Amazonで購入


著者はみやざき中央新聞編集長。
約千本の社説の中から選りすぐりの41本を選択し、
1冊にまとめている。
どこから読んでも幸せな気分になれる温かな文章ばかり。
世の中暗いことばかりじゃないぞ。
日本もまだまだ捨てたもんじゃないぞ。
そう思わせてくれる。

こんな社説なら要約の宿題も、
きっと楽しいものになるにちがいない。(^_^)

2011年度ブックレビュー#005