昇一先生の日本人のための日本の歴史シリーズ最終巻。
今回は古代篇。



教科書の「古代篇」というと、
学生時代は余りに縁遠く、暗記しただけの分野。(^_^;)
しかし、昇一先生の筆にかかると、
現在日本社会との繋がりの中で鳥瞰的に語られるので、
リアルなものとして身近に感じられる。

単に知識を羅列するだけの無機質な机上論でなく、
日本と日本人に対する深い愛情から発せられる、
熱い卓見。

しかも、最高峰ともいえる博覧強記で
シナや朝鮮、西欧と比較しつつ、
日本の政治・経済・文化の特質を縦横無尽に
描ききる。

古代史から近現代史まで、ここまで鮮やかに、
また素人が読んでも退屈することなく楽しめる、
歴史書があったであろうか。

ここに語られている歴史の授業がすべての
中学校で行われたら、日本社会も50年後には
今とは随分と変わったものになるであろうが
それは期待するほうが無理というもの。(^_^;)

それならせめて、心ある日本人は
一家に一セットこの「日本の歴史」シリーズを揃え
家族皆で日本史を学び、語り合いたい。

美しく歴史ある日本国に生まれた僥倖に感謝せずには
いられないだろう。(^_^)

2011年度ブックレビュー#006