英語学習の一番のキモが単語であることは
誰もが認めるところであろう。
文法も、解釈も、作文もまず「単語」を
知らなくては始まらない。

我々の受験生時代は「試験にでる英単語」が定番だった。
収録されている約1800の単語を
通学電車やちょっとした待ち時間に
寸暇を惜しんでひたすら覚えたものだ。

「でる単(しけ単)」の単語は確かに試験によく出た。
しかし、語源の分析等若干の記憶の補助はあったものの、
暗記の大半は学習者の努力に依存していた。

あれから30年以上経ち、受験参考書も格段の
進歩を遂げた。
当時では、考えられないほど利用者にやさしい、
新感覚の単語集が生まれた。

世界一わかりやすい 英単語の授業
  • 関正生
  • 中経出版
  • 1575円
Amazonで購入

世界一わかりやすい英文法の授業」で
お馴染みの関先生の授業の英単語版。

少しでも記憶の手助けになるようにと
暗記のヒントが至る所に散りばめらている。

語源的アプローチはもちろん、
TV、日常生活、ファッション、スポーツ
ありとあらゆる場面にアンテナを張り巡らし
英単語を紐付けし、学習者のリアリティに引っ掛かるように工夫がされている。

たとえば、「retrieve」=「回収する、 取って来る」
そのままでは難しい印象の単語だが、
獲物の回収を得意とする犬「ゴールデンレトリバー(golden retriever)」と関連付ければ、一気に身近な単語に様変わり。
車の「アイドリング(idle)」とはエンジンが「怠けている」状態。

ページをめくるたびに、目からウロコがポロポロ落ちる。
英語の本でこれほど唸ってしまう本も最近では珍しい。
それほど面白い。

尚、本書にはTSUTAYAビジネスカレッジからDVD版が出ている。
世界一わかりやすい英単語の授業』。
本の一部を分かりやすく講義してくれている。
家族3人で鑑賞したが、息子はもちろん、英語が大の苦手の嫁でさえ夢中になって観てしまうほど面白い。

とくに圧巻は「1ヶ月で単語1000個覚える方法」。
関先生ご自身が実践され、長年にわたり教え子にも伝授して
抜群の効果を上げてきたもの
本には書かれていない、いわば「秘伝の奥義」(!?)。

これを知るだけでもこのDVDは一見の価値がある。
英語の苦手な高校生諸君は必見!!
今現在、TSUTAYAビジカレ人気ランキング1位。
それも十分頷ける。(^_^)

2011年度ブックレビュー#011