ウエイン・ダイアーの名を初めて知ったのは今から30年も昔。
大学生の頃。
私淑する渡部昇一先生がダイヤー氏の作品を次々翻訳し、
解説を付加して発表されたので、それを貪るように読んだ。
自分の時代」や「自分のための人生」等
その他4-5冊あったと思う。

当時まだ未熟で自己確立できていなかった私は、
「自分」と「自分以外」を峻別できず、自由にならないものを
思い通りに出来ると錯誤し、挫折し、ストレスを溜め込んでいた。

ちょうどそんな時、一連のダイヤー博士の著作を読み、
「自己」と「他者」を明確に線引きできたことを今でも覚えている。
彼の作品群を読むことによって、いい意味での「個人主義」を
体得できた気がする。

初期の頃、過剰とも言える個人主義的傾向を推し進めていた彼だったが、途中からはかなりスピリチュアル的傾向が加わってきた記憶がある。
当時は「スピリチュアル」なんてことばはまだ一般的な用語でなかったが、人知を超えた存在を意識した発言が多くなった。
当然の事として私も受け入れることができた。

閑話休題。

そのダイヤー博士の思想が非常に上手くまとめられているDVDを鑑賞した。


DISCASで今月特に借りたいものがなかったので、
ダイヤー先生の講演のつもりで借りたのだが、全く趣を異にした。

物語の中に非常に自然な形で、ダイヤー博士が登場し、
柔らかな口調で、流暢に彼の思想のエッセンスを語る。
静かな口調が心に染みこむ。

時々物語の場面に変わり、登場人物の心の変化が徐々に
あらわになる。

そしてまた博士の解説が入る。

講演でもなく、かといって説教臭い映画でもなく、
今までに見たことのないスタイルの自己啓発的ストーリー。
120分全く飽きない。
というより途中で止められない。(^_^;)

正観さん的視点がいたるところに登場する。
彼の思想を受け入れることができる方なら、
必ず楽しめるに違いない。

こんな傑作を私一人だけ見たのではもったいないので
この週末にでも家族全員で見直したい。(^.^)