さだまさしの小説を初めて読んだ。


期待をはるかに上回る面白さと感動。
まさに寝食忘れて読んだ。
小説をこんなに夢中になって、
しかも号泣しながら読んだのは何年ぶりだろう。

もともと同名の歌があるらしいが、
全く存じ上げなかった。
1987年リリースということは、私がまだ東京にいた頃。
26年も前に発表されていたのに私の人生圏には全く入って来なかったのか!?

小説を読んでから、曲を聞いてみた。
歌と小説とが見事につながっている。
歌をモチーフにして、小説の中で
それが一層深く濃密に展開されている。

同名の「小説」と「歌」のリンクといえば、
空に住む」を最近読んだが
残念ながらスケールが全然桁違い。
比べるのも憚られる。

泣きながら本を読めるということはそこまで自分が本の中に没入できた証拠。
自分にまだそんな感性が残っていたことが嬉しい。(笑)

印象深いセリフを2つ。
誰かのせいにしなきゃ耐えられない悲しみってあるんだよ
(P70)

医師が患者から奪ってはいけない最も大切なものはな、命じゃないんだよ。希望なんだ(P320)

尚、本書はさだの友人である、大沢たかおの強い希望によって完成した。すでに映画化も決定したようだ。
この映画は映画館に足を運んででも必ず見る!!

ここ数年読んだ小説の中では文句なくナンバー1。

「感涙長編」と本の帯にあるが、決して誇張でない。
すべての方々に絶対の自信を持って推薦したい。