Ordinary

日常生活の些細なことに幸せの種を見つけて楽しんでいる平凡なオヤジの視点

カテゴリ: 教育

毎年新学期が始まると、学生サポートセンタから連絡が入り、
「先生のクラスの学生のことでお話ししたいことがあります」
と連絡が入る。

伺ってみると、
「こちらの学生の方から精神疾患で長時間の授業に耐えられない」
との申請が出ているので、オンライン授業などの対応をお願いしたい、
という依頼がある。
この仕事を始めた20年前には皆無だったが、
こうした学生がここ数年ずっと増えている。
おおよそ各クラスには1名くらいはいるだろうか。

こんな記事「中学生の5人に1人が「不登校・不登校傾向」」を見つけた。

家庭教師の依頼にも「不登校」の生徒の依頼が無茶苦茶多い。
今後一層増えていくだろう。
大学も当然同じだろうな。

嫁と国取りゲームをしている関係で、いろいろな県の入試問題を解く必要があるため、
今まで一度も解いたことのない県の大学を優先的に解いている。
今日は新潟大。
多分、生まれて初めて解く大学だと思う。
自分で行こうと思ったこともないし、教え子の関係で
解く必要に迫られたこともなかった。
初めて解く大学は新鮮だ。

問題を概観してして驚いた。
和訳(説明)と英作文の2種類しかない!!
前置詞の穴埋めや内容一致という定番問題が全くない。

和訳と英作文のみは京都大学の専売特許か思っていたが
新潟大もそちらの路線とは知らなかった。(笑)

もちろん、形式は同じでも長文の内容の抽象度は全く異なる。
新潟大は「じゃがいもの収穫と栽培方法」「肥料としての廃棄物」
というわかりやすい内容。
英作文も書きやすい。

きちんと英語を勉強すれば、確実にそれが点数に反映する良い問題。

国立大シリーズ第5弾「東北大」を解いてみた。
問1は、流行りの「人間の思考とコンピュータ思考の相違」
なかなかの長文だったが、専門用語もなく、読みやすい。
和訳と内容読解が中心。

問2は「イケメン基準の変化」
珍しいテーマで読んでいて面白かった。
過去のイケメンの代表例として「ピアース・ブロスナン」の名前が
出てきたのには驚いた。入試問題で彼の名前を見ることになろうとは!
この俳優を知っている高校生は1%くらいだろうが。。。(笑)
ただ、設問には直接関係ないから知らなくても全く問題はない。

問2は語彙問題が中心。基本単語が多いが
scrutinisedは英検1級レベル。
昨年だったら答えらなかったな。(;^_^A

問3は会話文、だが実際には簡単な熟語。
熟語はこれくらいのレベルがよい。
早稲田は鬼。
自由英作文は3つのアルバイトの条件を読んだうえで、
どこで働きたいかを書かせる問題。
面白いし、これなら書きやすい。

問4は整序と英作文
整序は2語不要単語があるので、なかなか難易度高くて面白い。

全体的に、個性的な出題形式ではあるものの
実力があれば、点数が取れる良問揃い。
国立大はどれも解いていて楽しい。\(^o^)/

いつもは国立大は東大と名大で終わっていたのだが
今年は不思議と時間があったので、京都大を解いたみた。

40年以上前に大学入学後、趣味で入会してZ会のA科。
そのスタイルと全く同じだったので笑った。
あの頃から全然変わっていないのか!?
東大が時代の流れとともに問題の形式を変えてきたのに
京大は「英文和訳」と「和文英訳」という受験英語の王道を
ひた走っている。
その志に共感。

形式は同じでも中身は時代を映す。たとえば
It isn’t that our total engagement with all this information is any less, but rather that as the information competing for our attention becomes denser our attention gets spread more thinly.

It is not that…「ただ…というわけではない」
なんて構文は45年前の参考書には載っていなかったと思う。
記憶にないなぁ〜。
not...but rather
our total engagement 名詞構文の訳し方
の視点も面白い

英作文の「情けは人の為ならず」も面白い。
本当の意味を知らない若者も多いというので
英語力と同時に国語力も測れよう。(笑)

私がずっと続けてきた、日々単語熟語を覚え、辞書を引き引き英文をひたすら和訳していく。
地道な英語学習の王道のようなこの勉強が日の目を見るとしたら京大のような問題だろうな。
今、もし英語だけで受験できるとしたら、東大よりも間違いなく私は京大だな。(笑)

国立大学シリーズ第2弾は東京大学。
形式は例年通り。
難しい単語を散りばめることで安易に
難易度を上げる気がないことは
cellphone「携帯電話」やapp「アプリ」にまで
注を付けていることでも明らか。

2題ある整序問題も難しい単語は一つもないのだが、難易度高い。
1つ間違えた。(;^_^A
正誤問題は今年は3分で解いて3つ正解したので、良しとしよう。(笑)

今年の英作文は書きやすい。

全般的に英文の内容はどれもわかりやすく、読みやすい。
ただ、これを実質90分で解くとなると、英語と同程度の国語力が必要。
慶応・医の方が英語のテストを解いた!という気がする。(笑)
純粋に英語力そのものより、総合的な知的レベルを測るクイズをやっている気分。
ただ、共通テストよりは英語力を測れるだろう。

解き終えた後は爽快感だけが残る。
早稲田大を解いた後のような疲労感が全くないのはなぜだろう!?(笑)

今度は国立大の入試に挑戦。
まずは名古屋大。
私が45年前に受けたときには滅茶苦茶
難しかった印象があるが、さすがにこの年で
解いてみると簡単に思える。(笑)
語彙力増強が英語力向上の最短かつ確実な方法であることを確信。

1と2は長文。その中で和訳や整序、空欄補充などを散りばめている。
記号問題より、記述が多いのは国立らしい。
ただ整序問題は先日の慶応・医よりも平易。
模範解答がまだ出ていないので正解かどうかはわからないが
多分正解だろう。この順番しかありえない。(笑)

3の会話文も下線部分の気持ちはどれか?と
表面上の単語の意味でなく、言外の気持ちを問う問題は面白い切り口。

4は名大恒例の表・グラフを分析する英作文。
ただグラフの読み取りも難しくなく、文字数も30〜50字と
比較的短いので容易。

全般的に、癖のある設問もなく、素直で解きやすい良問。



慶応大の医学部を解いてみた。
長文2題と自由英作文1題。
長文のテーマは「サウンドスケープ」と「日本の未婚状況」について。
ともに初めて知った内容。

大問1 「サウンドスケープ(音風景)」という用語を初めて耳にした。
「音」が生物の生存に大きな影響を与えているという話。
生活音があることで他の生物も集まってくる。

大問2 高齢化社会であることは有名だが、隠れた事実として「独身者」も
増えているという。しかし、それは今に始まったことではなく、
江戸時代も実は独身者が多かったという話。
寿司屋や一杯飲み屋はそうした独身者の需要を満たすために発展した。

2題とも知的刺激に満ちていて非常に面白い。
これこそ受験英語の本質である。

大問3 自由英作文も「若者の留学意欲の低さ」について。
これも書きやすい。
英語力の低さや経済的理由もあろうが、
要は、日本国内ですべて事足りているので、
わざわざ外国に出ていく必要性も必然性も感じない、
というのが本質ではないか。ある意味、幸せなことだ。

それに若者が留学に余り興味がないことは今に始まったことではない。
40年以上も前に故・渡部昇一先生が大学院生の教え子が留学に
行きたがらないことを嘆いていたのをどこかで読んだ記憶がある。
上智大学の学生ですらそうなのである。況や一般の学生をや。(笑)

共通テスト、早稲田大を解いた後となると、
やっと普通の英語の問題を落ち着いて解いている気分になれる。
これこそが正統な英語の問題、王道的出題である。
滅茶苦茶難しい英単語を使って、安易に難易度を上げるといった姑息な手段は使わない。
簡単な単語しか使っていないが、1-7や2-6の整序問題など見事な出題である。
平易な単語のみで英語力を測るには出題者側の知的格闘が必要である。
早稲田大はそれを放棄し、慶応はそれを誠実に実行している。
100年後両校がどうなっているかが楽しみである。
そのころ私はこの世にはいないから確認のしようがないけれども。(笑)

前回の早稲田大・文化構想に続いて、今度は法学部を解いてみた。
早稲田は学部によって出題スタイルが全く異なる。
ほぼ適語補充と内容一致だけだった、文化構想と異なり、
法学部の設問は多岐にわたる。

1・2 長文。そこに内容一致・適語補充を混ぜる。
内容「不」一致文を「4つ」選ぶ問題まであり、
いかにも早稲田らしい陰険な(?)スタイル。
3 熟語問題だが、すべてget絡みの表現。
こんなの絶対わからん。(笑)
4 表のデータを見ながら空欄を埋めていく、今どき流行りの問題。
ただ単語や内容は容易。ボーナス問題。
5 正誤問題としては普通。
6 空所補充。取ってつけたような中途半端な問題。こんなの必要??
ボーナス問題ってこと!?
7 自由英作文。レストランの予約をメールで依頼するという設定での自由英作文。
条件としては楽。
8 自由英作文。イラストを見て、その意味を語る。
「人間は安易に卵を食しているが、鶏視点では、自分の子供を
奪われているようなものですよ」という視点で書くかな。

全体で90分という制限時間から逆算すると
3〜6の小問を20分、7-8の英作文を各10分で処理し、メインディッシュの1-2に向かう。
1-2の長文を各25分、あたりが現実的な時間配分か。
単語の難易度も相当高く、英検1級レベルの英語力が必要だろう。

各大問を別々の担当者が作成し、それを最後にただまとめて印刷しているというだけで
「うちの大学ではこういう学力を持った学生が欲しい」
といった一本筋の通った哲学を感じない。
昨年の問題は統一感があったのに、今年の問題はまるでなくなってしまった。
担当責任者が変更にでもなったのか!?(;^_^A

関西は終わったので、関東に行く。
まずは早稲田大・文化構想学部。

大問5つで90分。例年通り。
1 長文2題。適語補充。難しくない。
2 長文3題。内容一致。長文といえども、ほぼ段落ごとに1問ずつ出題されるので、難易度はそれほど高くない。
3 適文補充。1は単語だったものが文章になったもの。
抽象的度の高い「宗教」「理性」「迷信」的な内容なので、まともに全部読んでいくとドツボにはまる。いかに本文を読まずに、文法的に処理できるかがポイント。(笑)
(  )の前後と選択肢の両方の
 1 時制 (助動詞)
 2 主語(固有名詞・代名詞・定冠詞)
 3 ディスコースマーカー
の3点で攻めていけば、解きやすい。
4 対話空所補充。一気に難易度が下がる。全問正解は必須。
5 英文要約。内容は簡単。4〜10語での要約なのでいかに短くできるかが勝負。

3でどれだけ得点できるかが勝負の分かれ目かな。
1年ぶりに早稲田を解いたが、早稲田大の中では比較的良心的な出題に感じた。(笑)

関関同立のトリは、もちろん同志社大。
7年程前に教え子が受験する時に、赤本で大量に解いた。
あの頃は単語の難易度に辟易したものだが、
今年は英検1級対策しているので、楽勝。(^^)v
英語はやはり、まずは単語だと実感。

語彙問題と内容把握問題は完璧。
ただ、前置詞を間違えた。(;^_^A

長文の内容に衝撃。
象牙の密漁から生き残るために、牙のない象が増えているらしい。
種として、遺伝子レベルで自然淘汰が行われている、という話。
恐ろしいが、興味深い。
こういう知的な英文を読めるのも英語学習の楽しいところ。

関関同立の中では、やはり頭一つ、抜き出た感がある。
語彙レベルが高い。
「システム英単語」レベルは完璧にして臨みたい。

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