偏差値93、東大理3に合格した著者が
1000人の家庭教師体験からあみ出した、
秘伝メソッドの数々を紹介する。

東大家庭教師が教える頭が良くなる勉強法
  • 吉永賢一
  • 中経出版
  • 1365円
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自分自身の体験とこれまで教えてきた多くの学生
の事例をあげつつ
1.覚える
2.わかる
3.慣れる
この3ステップのメインメソッドを中心に
その他多くの小技で知識の完全化を図り、
偏差値アップを確実にする方法を説く。

ここまで書くと、完全に受験テクニックだけを
書いた皮相的なハウツー本に思えるが、然に非ず。
過去15年以上にわたって生徒を教えてきた経験から実感するのですが、勉強というものは、メンタルな部分が基盤にあり、その上にテクニックがあるようです。
そのため、メンタルな部分が解消できていないと、どれだけテクニックを身につけようと、なかなか成績は伸びません。
(P136)
とあるように、勉強以前に
まずは精神の安定からアプローチする。
全く同感である。

巻末の参考図書に
『あなたは絶対!守られている』(浅見帆帆子著)や
『変な人の書いた成功法則』(斎藤一人著)
が、挙げられている。
受験参考書で一人さんの名前を目にするとは思わなかった。(驚)
著者が心の問題をいかに大きく捉えているかがわかる。

マイナスな気持ちは人生を駄目にする(P144)

通りすがりの人の幸せを願う(P145)

すべてを肯定してみる(P158)

「カンタン」を口ぐせにする(P161)

夢や目標は「なっちゃった!」を連呼する(P164)

相手の幸福を願うことばは気持ちを明るくする(P178)

一人さん用語(!?)が頻出する。
並の受験参考書の範疇を超えていると言っていいだろう。

本書は大学入試受験生をメインターゲットに書かれているが
上記理由から資格試験を目指す一般社会人の方にも
使える汎用な内容を含んでいる。
勉強に行き詰まっている方にはぜひ一読をお薦めしたい。

実は本書はせどり用に仕入れてきた。
クリーニングの最中に偶然、息子が見つけ、
軽く読んだ後、とても面白いからぜひ欲しい
と、言い出した。
断る理由もないので、そのまま息子にプレゼントしたら
一瀉千里に読了し「ムチャクチャ面白いで読んでみて!」
と、今度は私に逆推薦してきた。(;´▽`A``

それで私も読んでみると、予想以上に面白かった!!
特に一人さん的な視点に慣れている者には
非常に受け入れやすい事例が次々出てきて
モチベーションが非常に高まる。
その意味でこの本を読めたのは息子のおかげ。
感謝しなくてはなるまい。(^_^)

2011年度ブックレビュー#002