Ordinary

日常生活の些細なことに幸せの種を見つけて楽しんでいる平凡なオヤジの視点

タグ:ブックレビュー2011

5
せどってきた本をクリーニングしながら
パラパラ読むのはよくあることだが、
最後まで読了するほど魅入る本は極めて少ない。

が、久しぶりにそんな本に出会った。

「あの世のひみつ」


内容的は江原さんや正観さんの本で大体知っていることで
特別目新しいことはない。

ただ、生前の記憶をもつ彼女のリアルな体験談は
非常に興味深く引き込まれた。

自分の修行を最も効果的に実行するために
まだ出会ってない両親を結びつけるために
愛のキューピットまでかってでた逸話には笑えた。(#^.^#)
天空から自分の入る「体」をそんな段階から
探しているとは知らなかった。

現世は魂を磨くための機会であり、すべては自分が
決めてきたシナリオであること。
それゆえ、自分のクリアできないものなどないし、
肉体をもつ今世で体験する喜怒哀楽のすべては
霊的存在では味わえない貴重な体験であるから
大切に味わい、感謝しつつ今世を生き切ること。

そんなことなどを思い出させてくれた。

次々襲ってくる修行の数々に打ちひしがれて
しまいそうな貴方にこの本を贈りたい。

余談ながら、本書は船井さんも太鼓判を押している。

息子の高校では100冊の推薦図書一覧が配布され、
その中から好きな本を選び、読書ノートにまとめて
おくようにと宿題が出されている。
それが数ヶ月毎に提出を指示される。
その最初の提出日が5月末。
ということで、この連休中にその課題を前もって
やってしまおうという作戦。

そのリストの中には私が読んでも面白そうな本が
たくさん載っていた。
その中の一冊がこれ。



この本は実は私が大学生の時に単行本で読んでいる。
1983年刊。本書は文庫版。
BOで購入。

外山滋比古氏の文章は非常に味わいがあり、
レトリックと比喩が極めて巧み。
大学入試にもよく出題されるのも頷ける。
私が大好きな文体。

本書も題名が紛らわしいが、
思索全般を扱ったクリティカルエッセイ集。
浅薄なハウトゥー本と思って読み始めると痛い目に会う。(笑)

30年近く前の本なので、新聞のスクラップの話(P79)等
若干古さを感じる話もなくはないが、
全般的には古さは感じられず、
知的生活に有意義な視点も多い。

「セレンディピティ」(P66)の話は全く忘れていた。
大学時代に私はこんなコトバに触れていたんだ!?

日頃、目に触れる雑駁な文章とは一味も二味も違う。
品のある、大人の文体。

1923年生まれの著者が1983年に本書を書いたとすれば
およそ60歳の時に書いた文章ということになる。
あと10年しかないのか!?
大学生の頃、こんな文章を書ける大人になりたい、
と思っていたが、あと10年・・・
道は遠く険しいなぁ。(;´▽`A``

2011年度ブックレビュー#012

5
英語学習の一番のキモが単語であることは
誰もが認めるところであろう。
文法も、解釈も、作文もまず「単語」を
知らなくては始まらない。

我々の受験生時代は「試験にでる英単語」が定番だった。
収録されている約1800の単語を
通学電車やちょっとした待ち時間に
寸暇を惜しんでひたすら覚えたものだ。

「でる単(しけ単)」の単語は確かに試験によく出た。
しかし、語源の分析等若干の記憶の補助はあったものの、
暗記の大半は学習者の努力に依存していた。

あれから30年以上経ち、受験参考書も格段の
進歩を遂げた。
当時では、考えられないほど利用者にやさしい、
新感覚の単語集が生まれた。

世界一わかりやすい 英単語の授業
  • 関正生
  • 中経出版
  • 1575円
Amazonで購入

世界一わかりやすい英文法の授業」で
お馴染みの関先生の授業の英単語版。

少しでも記憶の手助けになるようにと
暗記のヒントが至る所に散りばめらている。

語源的アプローチはもちろん、
TV、日常生活、ファッション、スポーツ
ありとあらゆる場面にアンテナを張り巡らし
英単語を紐付けし、学習者のリアリティに引っ掛かるように工夫がされている。

たとえば、「retrieve」=「回収する、 取って来る」
そのままでは難しい印象の単語だが、
獲物の回収を得意とする犬「ゴールデンレトリバー(golden retriever)」と関連付ければ、一気に身近な単語に様変わり。
車の「アイドリング(idle)」とはエンジンが「怠けている」状態。

ページをめくるたびに、目からウロコがポロポロ落ちる。
英語の本でこれほど唸ってしまう本も最近では珍しい。
それほど面白い。

尚、本書にはTSUTAYAビジネスカレッジからDVD版が出ている。
世界一わかりやすい英単語の授業』。
本の一部を分かりやすく講義してくれている。
家族3人で鑑賞したが、息子はもちろん、英語が大の苦手の嫁でさえ夢中になって観てしまうほど面白い。

とくに圧巻は「1ヶ月で単語1000個覚える方法」。
関先生ご自身が実践され、長年にわたり教え子にも伝授して
抜群の効果を上げてきたもの
本には書かれていない、いわば「秘伝の奥義」(!?)。

これを知るだけでもこのDVDは一見の価値がある。
英語の苦手な高校生諸君は必見!!
今現在、TSUTAYAビジカレ人気ランキング1位。
それも十分頷ける。(^_^)

2011年度ブックレビュー#011

ブログは7年前からほとんど毎日欠かさずに
エントリーしている。
twitterも2年前から始めた。
職業柄、この手のネットサービスに対する
抵抗は少ない。
だからfacebookも話題になってすぐに
アカウントは取得した。
しかし、今回だけはブログやtwitterのように
そこから先に進めずにいた。
その原因を知りたくてこの本を手にとった。


facebook使いこなし術 パワーユーザーが明かす「楽しむ秘訣」
  • 根岸智幸
  • アスキー・メディアワークス
  • 780円
Amazonで購入
書評


twitter本同様に
体系的に手順を追って説明してくれている。
インターネットの中のインターネット(P12)
の解説にまず驚く。
へぇ〜、そうなんだ!
プラットフォームとしての5つの機能を順に解説。
図表も多いので初心者にも優しい。
投稿には4種類あるそうだ。
ふむ、ふむ。

twitterの面白さはフォロワーさんを100人集めてからわかる、
と言われたが、facebookの醍醐味も「友達」とつながる点に
あるようだ。これはすでてのSNSの共通点だろう。
では、twitterとの一番の違いは何か!?
ツイッターはオープン、フェイスブックはクローズ(P86)

これだ!!

フェイスブックは基本、実名登録。
リアルに知り合いで繋がっている者同士の
閉じた世界がフェイスブック。
アメリカではそれが常識らしい。
日本ではそのあたりは見解が分かれるところ。
ちなみに著者はオープンでよい、の立場。

私はブログもtwitterもすべてハンドルネーム。
リアルにお付き合いのある人で私のブログを
知っているのはほんの数人。
それは私の心の本音のつぶやきを紡いでいるので
浅い付き合いの人には恥ずかしいので読まれたくない
というのがその理由。(^_^;)

そうか!?
それなら本名で知らせてもいい内容はfacebookに書き、
個人的心情のつぶやきはtwitterに書けばいいのか!?
著者ご自身は厳密に分けず適当に使い分けておられる模様。
この辺りはそれぞれの性格による。

私は職業柄、本名で検索されて教え子に
内面の囁きを覗かれては仕事がやりにくい。
そのあたりがfacebookがイマイチ私の琴線に触れない
原因であることがわかった。

ここのところをどう克服するかがfacebookが
私の中でブームになるかどうかの分かれ目だと思う。
その端緒がわかっただけでも本書は役立ったといえる。

2011年度ブックレビュー#010

5


スピリチュアル系翻訳の第一人者として、
知る人ぞ知る存在、山川紘矢さんの自伝的エッセイ。
「アウト・オン・リム」「ザ・シークレット」「前世療法」・・
訳書は極めて多数。いずれもベストセラー。
自分でも読んでいるし、
せどりでも何冊もお世話になっている。(*^_^*)
奥様の亜希子さんともども、スピリチュアルに興味のある者で
このご夫婦の名前を知らない人はモグリと言っていい。(笑)

お二人の翻訳書の素晴らしい点はその読み易さにある。
原書を本当に理解して訳されていることが一目瞭然。
時々、翻訳者自身も絶対意味がわからずに
日本語に置き換えているだけだなと思われる、
悪翻訳本に出会うことがあるが、本書はその対蹠点にある。

そちらの系列の本ばかりを訳されているので
当然若い頃から、スピリチュアルな世界に
お詳しのかと思いきや、開眼したのは意外に遅く、
勤め人になってから。

しかもその勤め先がすごい!
東大法学部在学中に、司法試験合格し、
さらに国家公務員上級試験にも合格し、
大蔵省、外務省、世界銀行へ。
まさにエリートの中のエリート。\(◎o◎)/!

当時、神など全く信じていなかった彼が
輝かしいキャリアを捨て、スピリチュアル世界に向かう
までの波乱万丈の半生を詳細に描いていく。

スピリチュアルに傾くほど、周囲との軋轢が
増すことは容易に想像がつく。(^_^;)
世俗的見地からしたら、坂道を転げ落ちるが如き
「没落」に見えるが、精神は逆にドンドンと満たされ
解放されていく。その反比例さが興味深い。

本書は元々せどり用に仕入れた本。
嫁がクリーニングしている際に、
ちょっと読んで「ムチャクチャ面白い!」
というので私も読み始めた。
確かに、非常に新鮮な情報がテンコ盛りで
数時間で一気に読了!

「輪廻転生」に関しては何の疑いもなく信じている、
私には全くスムーズに本全体が受け入れられた。(*^^)v
彼の人生の追体験しながら、
同時に「人生の意味」「幸せになる方法」を
知ることができる。
「輪廻転生を信じると人生が変わる」と題名にあるが
話は「輪廻」だけでなく、もっと広範囲に渡る。
山川夫妻ファンにとってはとても楽しめる一冊。(^_^)

2011年度ブックレビュー#008

5
ご存知、斎藤一人さんの最新刊。



いつものように穏やかな口調で
温かく読者を包み込む。

「いつも笑顔で愛のある言葉を話すんだよ」
本で書かれていることをまさにそのまま実践で
示されている。

今回特に印象に残ったのはここ。
「見た目」と「いう言葉」で人生は決まる

魅力はこの2点で決まる。
穏やかな「見た目」と
「発する言葉」が愛に満ちている人を
「ジェントルマン(紳士)」と呼ぶのだろう。
一人さんのように。

私の生きる指針だ。(*^_^*)

本書もいつも通り、付録CD2枚付。
今年の1月に開催されたパーティの模様が収録されている。
Disc1はお弟子さん、Disc2が一人さんの講演。
いつも通り。(*^_^*)

講演の内容をそのまま活字にした書物が多かったが、
今回は全く別の内容。何か得した気分。\(^o^)/
お弟子さんのお話が昔ほど面白くないのがちょっと残念。

2011年度ブックレビュー#007

5
昇一先生の日本人のための日本の歴史シリーズ最終巻。
今回は古代篇。



教科書の「古代篇」というと、
学生時代は余りに縁遠く、暗記しただけの分野。(^_^;)
しかし、昇一先生の筆にかかると、
現在日本社会との繋がりの中で鳥瞰的に語られるので、
リアルなものとして身近に感じられる。

単に知識を羅列するだけの無機質な机上論でなく、
日本と日本人に対する深い愛情から発せられる、
熱い卓見。

しかも、最高峰ともいえる博覧強記で
シナや朝鮮、西欧と比較しつつ、
日本の政治・経済・文化の特質を縦横無尽に
描ききる。

古代史から近現代史まで、ここまで鮮やかに、
また素人が読んでも退屈することなく楽しめる、
歴史書があったであろうか。

ここに語られている歴史の授業がすべての
中学校で行われたら、日本社会も50年後には
今とは随分と変わったものになるであろうが
それは期待するほうが無理というもの。(^_^;)

それならせめて、心ある日本人は
一家に一セットこの「日本の歴史」シリーズを揃え
家族皆で日本史を学び、語り合いたい。

美しく歴史ある日本国に生まれた僥倖に感謝せずには
いられないだろう。(^_^)

2011年度ブックレビュー#006

5
中学だったか高校の頃だったか。
国語で新聞の社説を要約する宿題がよく出された。
社説を切り取り、ノートに貼り付け、
その横に何百文字かでまとめるもの。
私の最も嫌いな課題のひとつだった。

興味深い文章を読んでまとめるのならいい。
ところが、この「社説」とやらが
味も素っ気もない無機質極まりない文章で、
難しいことを偉そうな口調で語っていながら、
自分は決して当事者とならず
蚊帳の外から現実の社会を上から目線で
講釈を垂れるだけ。
全く非建設的で、自己満足なだけの文章で
読むのがこの上なく苦痛だった。

世の中は確かに暗いニュースが多いかもしれない。
しかし、それなら尚更、その中から数少ない
明るいニュースを探し出し、それを巷間に
広く知らしめ、世の中明るくしようと考えないのか!?
子供心に不思議でならなかった。

当時の私の疑問と同じ疑問を感じ、
私が求める社説を書いてくれている、
編集長さんがいた。


日本一心を揺るがす新聞の社説―それは朝日でも毎日でも読売でもなかった
  • 水谷もりひと
  • ごま書房新社
  • 1260円
Amazonで購入


著者はみやざき中央新聞編集長。
約千本の社説の中から選りすぐりの41本を選択し、
1冊にまとめている。
どこから読んでも幸せな気分になれる温かな文章ばかり。
世の中暗いことばかりじゃないぞ。
日本もまだまだ捨てたもんじゃないぞ。
そう思わせてくれる。

こんな社説なら要約の宿題も、
きっと楽しいものになるにちがいない。(^_^)

2011年度ブックレビュー#005

5
年間300回以上の講演を続けてこられた
正観さんが体調を崩されて講演を休まれているのを
知ったのは2009年のこと。
何回か実際に講演に参加した際もいつも咳き込んでおられ、
決して元気そのものという状態ではなかったので、
そんなに重篤な状態であるとは知らなかった。(^_^;)
一時期はかなり危ない状態であったらしい。

その際に、担当医師として正観さんの治療にあたった西本医師の著作。

小林正観さんの「奇跡のセイカン」―生まれてきた本当の意味がわかる本
  • 西本真司
  • マキノ出版
  • 1400円
Amazonで購入


全4章構成。
第1章は著者の自己紹介。
少年時代からこれまでのスピリチュアルな体験と視座の説明。
現役医師でありながらも西洋医学絶対主義に立たず、
「体」「心」「魂」の3者の総合的健康を目指す。
著者の言葉を借りれば、ホリスティック(全人的)健康観。
自然治癒力を癒しの原点におくなど、既存の医療とは
かなり趣を異にして、個人的には非常に価値観が似ている。
こういう先生なら私もかかってみたいと思う。(^_^)

越智啓子先生飯田史彦先生のお名前も登場して、そちらの方面が好きな方には親近感がわく。

第2章は正観さんとの出会いから担当医になるまでの経緯。
さらに正観さんの病状をレントゲン写真も掲載して
詳細に説明してくれている。
もちろん、正観さん承諾済み。
これを読むと一時期生死の境を彷徨うほどの
際どい病状であったことがわかる。

「61歳で心臓の病で逝く」という光からのメーッセージを
40歳の頃に受け取っていた正観さんは、それを受け入れて
体調の悪い中、全く病院へ行こうとせず、静かにその時を
待っていたようだ。
恐るべき精神力!!
それを西本先生をはじめ、縁ある周りの方々が説得を重ねて
入院までこぎつけ、手術に至る。

「静かに天命に従おう」としていた正観さんが
「自分も頑張って生きよう」と生き方のベクトルを
大幅に変更するまでの紆余曲折が描かれている。
非常に興味深い。

江原さんは『宿命』と『運命』とを区別している。
『宿命』は誰もが持って生まれてきた、一生変えられない要素。
『運命』は生きていく過程で自分の意志で作っていける要素。
ということは、寿命は宿命でなく、運命であることになる。
自分の人生を考える意味でもいい教えとなった。

第3章は「アナグラム」、第4章は「誕生日とソウルメイト」。
こちらも占いのようで面白い。(^_^)

一人さんはお弟子さんの本が沢山でているので
日常生活の様子をある程度垣間見ることができるが
正観さんを第3者の立場で語る本はこれまでなかった。
その意味で非常に新鮮で興味深かった。
全体でも140頁ほどの小書だが、知らない情報が目白押し。

正観さんファンには必読の一冊といって良いだろう。

2011年度ブックレビュー#004

5
昇一先生の「日本人のための日本の歴史」を語り尽くす
シリーズの第6弾。今回は鎌倉・室町時代。


渡部昇一「日本の歴史」〈2〉中世篇―日本人のなかの武士と天皇
  • 渡部昇一
  • ワック
  • 1400円
Amazonで購入


本シリーズは近現代から古代に遡って発刊されているのが特徴。
既刊は、
1.戦後篇「混迷の時代に」
2.昭和篇「昭和の大戦」への道
3.明治篇 世界史に躍り出た日本
4.江戸篇 世界一の都市 江戸の繁栄
5.戦国篇 戦乱と文化の興隆

私は大学入試は世界史で受験した。
そのため日本史は高校の授業では1年間しかやっておらず、
圧倒的に常識不足を自覚している。

大学入学後、その不足を補うべく、
司馬遼太郎全集を必死で読んだ。

その甲斐あって、戦国時代と明治維新あたりの時代風景は
大体整理できた。
しかし、司馬が余り書いていない、鎌倉室町時代となると
残念ながら全く白紙同然。(^_^;)
山川の教科書なんて今さら読む気になれない。

そこを補うのに絶好の本書。
「点」としてのみ記憶している歴史的事実を
教科書では絶対語られない、
「フィギュアヘッド」「国体」等の用語を用いながら
裏の関係性を明示し、「線」でつないでくれる。

また学校では教わらない「神皇正統記」の意義や
さらに楠木正成の「七生報國」思想が
日本人DNAの中にいかに色濃く残っているかも
歴史的事例を挙げて解説する。

書いてある内容も引用する文献も恐ろしく高尚で、
専門的なのだが、昇一先生独特の語り部のような文体で
スムーズに頭に入ってくる。
教科書を補っても余りある一冊。

本シリーズもあと一冊を残すのみとなった。
第一巻古代篇。
サブタイトルは「現代まで続く日本人の源流」。
壮大なスケールで日本史から見た日本人を
語り尽くしてくれるに違いない。

2011年度ブックレビュー#003

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