私のインターネット歴は10年以上も前、
ダイヤルアップによるアナログ回線からスタートする。
Win95の初代Deskpower。
確か、28.8K(ニーパッパー)の「モデム」だったと思う。

ルーヴル美術館のサイトに行き、モナリザの絵がジワジワ
現れるのを見て、嫁と一緒に手を叩いて喜んだものだ。(^_^)
とにかく、回線が細いので、何を見るのも「じ〜〜〜と」
待っていなくてはいけなかった。
今思えば実用には耐えないレベルだった。
回線そのものの遅さもそうだが、
もうひとつ、ネットにつながるまでのその遅さ。

アクセスポイントのアイコンをダブルクリックして
モデムが動き出し、「ピーガーガー」の音ともに
接続が始まり、その後やっとネットの世界。
接続するのに30秒もかかるのだ。
ローカルなPCとは異なる別世界に入っていくことをはっきり意識した。
当時はそれが普通だと思った。

その常識が大きく変わる瞬間がきた。

当時、愛読していた「Internet Magazine」にルーターという機器を
接続してフレッツISDN回線を使うと数秒でネットの世界に入れる、
という記事を読んだ。
うちの田舎の方にISDN回線がなかなか敷設されず、
ヤキモキしたが、申し込みできるとなったら、
即加入して夢のルーター生活に入った。
そのルータが「MN128-SOHO」だ。
MN128-SOHO

この魔法のボックスのおかげでネット生活の快適さは激変した。
ローカルPCのファイルにアクセスするのとほぼ同じ感覚で
ネット世界に入れるのだ。
「シームレス」の感覚を初めて持てた。

その後、ネットはADSLに回線変更したが(type2)、
いろいろな事情があって、ISDN回線はそのまま残し、
MN128ーSOHOも生き続けた。
ネットの役割は終えたが、電話・Faxで相変わらず働いてくれた。

しかし、先週ついに電源は入らなくなった。
これまでも時々電話が使えなくなる時があったが、
再起動すれば、だいたいすぐ復活してくれた。
しかし、今度は全く生き返る気配がない。
寿命のようだ。
我が家に来てから10年近くなるのだろうか。
天寿を全うしたというべきだろう。

いまさらISDNルータを購入する気もないので、
回線をアナログに変更し、
ネットもこちらに接続してtype1に変更する。
今週の金曜日が工事日。

長い間、御苦労さま。
ADSLよりはもちろんスピードは全然遅かったけれど、
初めて「シームレス」なネット環境を提供してくれた君の功績は
とても大きかったし、あの感動は私の記憶に鮮明に残っているよ。
ありがとう、MN128君。
安らかに眠ってください。