先日読んだ、せどりの達人
著者がずっと以前に書いていた教育本。
予備校の英語教師だけにせどりの方法より
むしろこちらの方が本職の領域に近い。(^_^;)

ぐうぜん東大に合格させる法―たそがれ親父の家庭づくり大作戦ぐうぜん東大に合格させる法―たそがれ親父の家庭づくり大作戦
著者:吉本 康永
販売元:三五館
発売日:2000-06
おすすめ度:4.0
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以前にも「勉強ができる子の育て方」で
東大合格者の親の体験記を読んだが、
あれは母親と娘の立場。
今回は父親と息子。
その共通点と相違点を意識しつつ、興味深く読めた。

どちらにも共通して言えることはいくつかあった。

一番の共通点は、家族皆の仲がいいこと。
両家族とも子どもが幼い頃から、
家族でカルタ取り大会をしたり、
時事問題に関して家族で話し合いをしている。

さらに、合格の裏付けを「氷山」にたとえて
うまくまとめている(P.98)。
合格の根底にあるもの

氷山の下から
・親の愛情(家族の絆)
・知恵(体験・知識を濾過したもの)
・読書量
・能力(記憶力+理解力+思考力+表現力)
・受験科目の知識
が海面下に隠れており、海面から上の部分に
・成績=偏差値
・合格
とある。
科目の知識より家族団欒の方を重視している点
が興味深い。両手を挙げて賛成したい。\(^o^)/

一方相違点としては、母と娘は二人三脚的に
常に寄り添う感じで受験を乗り切った感があったが、
本書の父・息子の場合は、
父は黙って息子を見守っている印象が強い。
男親と女親の違いか。
このあたりのバランスは
各家庭それぞれに色合いは異なるだろう。

いずれにせよ、一番の根底にあるのは
家族の絆であることに間違いはない。

本書で特に新しい発見というものはない。
私も教師の端くれとして、様々な学生を見、
また指導してきた。
それらの経験を踏まえて、自分が出来る範囲で
一番理想としての家庭教育の環境を作ってきた。
その基本方針が間違っていなかったことが
裏書きしてもらえたことが一番嬉しい。(^o^)

2009年度ブックレビュー#56