Ordinary

日常生活の些細なことに幸せの種を見つけて楽しんでいる平凡なオヤジの視点

宮城谷昌光

歴史のしずく5

私が宮城谷昌光を知ったのは、「風は山河より」から。
これと「新 三河物語」しかまだ触れたことはなく、
まだ数年のお付き合いしかない。

それ以前に書かれた膨大な中国の歴史にスポットを当てた
作品群の中からテーマに沿った数々の名言を集めた本が
あることを知って早速読んでみた。

歴史のしずく - 宮城谷昌光名言集 (中公文庫)歴史のしずく - 宮城谷昌光名言集 (中公文庫)
著者:宮城谷 昌光
販売元:中央公論新社
発売日:2005-05-26
おすすめ度:5.0
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昔の作品はまだ1冊も読んだことがなく、
初めて読む言葉ばかりでとても新鮮だった。

たとえば「傲慢」は
==========================
傲慢さは知恵を曇らせ、他人の知恵を近寄らせない。
自信満々な者に献じられることばは諛言(ゆげん)しかなく、
それは人格を低下させることばの毒である。
==========================

また「知」は
==========================
薬草であることを知る者にとっては有益な草ですが、
知らない者にとっては庭をよごす雑草のひとつにすぎない
==========================

こうした言葉の宝石に出会える。(^o^)

しかし、本書の一番の醍醐味は予定外のところにあった。

それは「あとがきにかえて」。
最後の10ページほどに書かれている、
昔の思い出話。

著者が世に出るまで散々苦労したお金の話や
奥さんに苦労掛けるのが忍びがたく、
作家としての夢を諦めようかとする心の葛藤。
そうした苦悩の数々が木訥と、
しかし真摯に語られている。

これほどの大作家でもこれほどの苦労があったのか。
出身が地元だけに共感を持って読んできたが、
こうした苦労を知って益々好きになった。

次回作を大いに楽しみにしたい。

2009年度ブックレビュー#25

新三河物語 下巻5



3ヶ月連続発売の宮城谷昌光の最新作。
今回で完結。

大久保彦左衛門を主人公に、家康とその周辺の
人間関係を宮城谷の視点から描く。

大久保彦左衛門(1560-1639)は三河の松平家の
古い家臣の家に生まれ、家康に従って数々の戦さで活躍し、
徳川幕府の成立に多大の貢献をした。
三河武士の典型。

しかしいったん平和な時代が訪れると、
時代は戦いに優れた武士よりも政治に必要な官僚を求める。
幕末から明治維新の時もそうだった。
これはいつの時代も変わらない。

大久保家は所領を減らされ閑職に追いやられて不遇な時代が続く。
また家康が苦労をしていた頃に家康を裏切ったような元家臣が
復権して高い地位に付いたりしているのを見るにつけ彦左衛門
の憤懣は募る。

家康自身の不遇な時代から平和な世の中に至る、
時代の流れを記録したのが彦左衛門が遺した「三河物語」。
これは公開する種類の著作ではなく、
彼が自分の子孫の為に書き残したものであり、
その中には上記のような事情を背景として、
彼の不満がとめどもなく書き綴られいる。

この「三河物語」を下敷きにしたのが、本作「新三河物語」。

底流にあるのは、
====================
受けた恩は、さりげなく返していく、
というのが恩讐に鋭敏な平助の生きかたである。(P.69)
====================
人知れず善行を積んでゆくと、いつか天に褒められる(P.109)
====================
という思想。

ソロバン勘定を嫌う、ドン百姓的思考は
私自身三河人であるだけにイタイほどよくわかる。
こういう「涼しい」生き方がスキ。

宮城谷自身、三河の人なので、
そのあたりよくわかっているのだろうか!?

さて、古代中国の偉人を離れて、
日本史より「風は山河より」「新三河物語」と
「家康」周辺を二冊描いてくれたが、
次回作はどの時代に行くのだろう?
そろそろ「幕末」に向かって欲しいなぁ。(^J^)

文句なく、☆×5\(^o^)/

新三河物語 中巻5

新三河物語 中巻

先月読んだ上巻の続き。
中巻は信玄との攻防が中心。
惨敗した三方原の合戦から、長篠・設楽原の合戦、さらに
運命の天正10年「本能寺の変」までを描く。

一度読み始めると、もうどうにも止まらないほど
おもしろい。(^J^)

日高晤郎「私の本棚」(10/11放送分)でも紹介され、
絶賛されている。
司馬遼太郎亡き後の、歴史小説のあのジャンルを埋めることが
できるのはこの宮城谷昌光をおいて他にいない、と。
全くの同感である。(^J^)

漢語が多いのは大いに結構。
オノマトペを一切使わないのは大賛成。
辞書にないような漢字が1ページに何語出てもいい。

願わくばもうすこし横道に逸れて
世間話に興じて欲しい。(笑)

司馬はしばしば本筋から止めどなく離れ、
目の前で酒を酌み交わすような気楽さ(私は下戸だが)で
世の中を、人を、人生を語ってくれた。

小説とエッセイが見事に融合されたような
独特の歴史世界を目の前で展開してくれた。

もっと宮城谷昌光という人間性を前面に押し出して欲しい。
たとえば・・・

「弱者は強者をほめるゆとりをもてるはずがない」(P.147)

こういう切れ味鋭い文を私は自分の精神の血肉としていきたい。
読書の醍醐味はまさにこの点に尽きる。

下巻は、家康の天下統一直前、大坂城をめぐる最後の戦い。
むろん、もう注文してある。(^^)V
11月のお楽しみ。

新三河物語 中巻 (2)

野田城

「風は山河より」全五巻を読了した。



野田城主・菅沼定盈(さだみつ)とその一族を描いた物語。
野田城というのはここ↓

拡大地図を表示

近くにJRが通っている。実はこの線
高校に行くときに毎日使っていたが
そんな有名な場所とはつゆ知らず、
気にもとめずに毎日ボケタ〜〜ンと乗っていた。
無知というのは恐ろしいものである。

宮城谷昌光はこの飯田線から見える車窓風景を
「日本の沿線風景の中で十指に入るだろう」
と絶賛している。が、これは余談。

さて、本書の主人公・菅沼定盈。
教科書にも全く出てきていないが
戦国時代においては、垂名の人であったらしい。
それは、武田信玄3万の兵士に対し
わずか400人で野田城に籠城し
1ヶ月間堪え忍び、敵将信玄からも
殺すに惜しいと激賞された武士。

ここで1ヶ月も予定外の足止めを食い
精魂使い果たしたわけではないだろうが
上洛を諦める。
そのため、信長・家康は信玄と戦わずに済む。
そしてこの闘いの2ヶ月後に信玄は死に、
相対的に、信長の勢いが一気に増していく。
ということは、俯瞰的に見れば
家康への道をなだらかなものにしたとも言える。

その意味で第5巻の帯にある
「この男なくして徳川260年の太平はなかった」
という表現も決して大げさではない

物語は菅沼定盈とその父・祖父3代の三河の武士道
を描くことがメインテーマ。
ちょうど定盈と同時期に生まれた徳川家康と
その父・祖父3代の生き様を同時並行に
描くことによって、菅沼定盈の生き方の特徴を
一層際立たせている。

籠城している定盈一団に対し
雲霞のごとく現れた信玄の一団。
100倍の数に攻められ、当然のごとく「死」を覚悟する。
そのクライマックスシーンは鳥肌もの。

主人と家来とのやりとりを読んでいると
なぜか落涙が止まらない。
ある霊能者に見てもらったところ
私の背後には四〜五人の鎧を着た武士が
背後霊としてついていらっしゃるとのこと。
昔のことが思い出されるのだろうか!?

それにしても、宮城谷の文章は美しい。
「漢字」が大好きな私としては、
全5巻中に一語たりともカタカナを使わず
言葉の贅肉を一切そぎ落とした、
人間の心の襞に隠されたあらゆる感情生活を
すべて漢字で表現している宮城谷のそれは
愛する司馬遼太郎に比肩する。
司馬亡き後、全く読む気がしなかった歴史小説を
何十年ぶりかで読んだ。
全五巻読んでいる間、暑さも厚さも忘れた。

いや〜〜、生きててよかった!!
三河のド田舎で生まれたことを
心から感謝したい。

さぁ、次はダーマトグラフを引きまくって
ドッグイヤーを折りまくったページを全部読み直し
気に入った箇所をすべて入力してノートに
まとめるという愉しい作業が待っている。
「司馬遼太郎ノート」に続いて「宮城谷昌光」ノート
もできそうである。(^^)V

「風は山河より」」は私のこの夏最大のヒットであり、
最高のボーナスでした。(=●^0^●=)

穏やかな構図

◆「ブログ講習会」のテキスト原稿を大学側に送る。
月末までの約束だったのでとりあえず締め切りには
間に合った。
ほっ。

あとは講習がやりやすいようにWebサイトに
モジュールそのものをアップしておこうと思う。
参加者が何人かは知らないが、
手入力では間違い続出で、混乱を極めるであろうから。
コピー&ペーストでもきちんとできるかどうか
危ういところですが。。。(^◇^;)

◆午前中にとりあえず仕事の目星が付いたので
午後から風は山河より 第二巻
を読み続け、読了。

二巻では、竹千代(家康)がやっと誕生したものの、
広忠(家康の父)は信秀(信長の父)の攻撃に
松平家が存亡の危機。
さぁこの後、どうなるのだ!?
引き続き、第三巻に突入。)^o^(
やめられない、とまらない。

暑さなど全く忘れるほどの宮城谷の名文に酔いしれる。
し・あ・わ・せ〜。(~v~)

◆気に入った箇所を後日すぐに確認できるように
「紙copi」に全部入力しているが、単行本は分厚くて
見ながら入力するのが非常に億劫だった。
何かよい手はないか調べたらこんないいものがあった。
ELECOM EDH-004 ブックスタンド

早速購入してみた。
すこぶる便利。\(^o^)/
千円かそこらでこんなに快適になるのなら
もっと早く買うんだった。




◆息子の友人が遊びに来てくれたので
おやつを買いに「ミスド」へ。
ちょうど100円キャンペーン中。(^o^)
「Dポップ」を大量に買い込む。
100円で一番お得感があるんだよね〜。

待ってる間にふと店内に目をやると、
70歳前後の老夫婦が二人でドーナツを食べていた。
特に何か話している様子もない。
二人でコーナーのテーブルに静かに
腰掛けていた。
何となくうれしくなった。
70過ぎて夫婦(かどうかわからないが!?)で
ミスドに来るのも乙だな。
ふと思った。
こんな関係がいいな。(=●^0^●=)

今日も家族皆、健康に普通に一日を
終えることができました。
ありがとうございました。

名文

◆昨夕帰宅してから、
ほぼぶっ通しで読み続け一気に読了。
風は山河より第一巻

必要最小限のことを除き、時間の
すべてをこの本にあてることができた。

机の前で読み、疲れると布団に寝転がって読み、
眠くなると昼寝をし、起きると再び読み始める。
そう。
四半世紀前、大学生だった頃、
一人下宿でそうやって私は
青春時代の何年かを過ごしていたのだった。

あの頃は司馬遼太郎で、
そして今度は宮城谷昌光で。

レビューでは登場人物や地名に聞き覚えのないものが多く、
その点苦労したという声が多いが、
この物語の舞台となった「東三河」に住む私にとっては
申し訳ないくらい身近なものばかり。(^_^)
読みやすい、読みやすい。

「野田城」は車で15分の所にあり
「長篠合戦」跡地には30分で行ける。
歩いて5分の所にある神社の名前まで
出てきたときには思わず感嘆の声をあげたほど。

400-500年前にこのあたりで実際に起こっていた
歴史絵巻をみせてもらっているようで
これで興味の湧かぬはずはない。

◆さらに宮城谷は本書の中に1文字の
カタカナも使っていない。
白川静先生を師とするだけあって
漢字の素養は桁外れ。
漢字の持つ表現能力を極限まで駆使している。

実際、辞書にない漢語もいくつも出てきた。
たとえば、「淡愁」。
おそらく「たんしゅう」と読むのだろうが
辞書にはない。
中国の熟語だろうか、宮城谷はしばしば使っている。
字面からその意味するところは大体想像できる。
「涼しい影」にも通じる、私好みのイメージでもある。(^o^)

また、宮城谷自身が愛知県蒲郡市出身のせいか
東三河に関してしばしば語ってくれる。
===========================
東三河は、東海地方では最高の文化の叢聚(そうしゅう)
というべき今川の文化圏にあり、
文武にひいでた牧野家をみてもわかるように、
文化程度は低くない。
むしろ今川の人文の光がとどかない西三河の方が
蒙(くら)いであろう。
文化とは伝統と想像の所産であり、
理知が情念を制御する場において成り立つ。
===========================
なんてことを読むと、その延長線上にいる私自身が
褒められているようで、つい口元もほころんでしまう。

さらに
===========================
三河で生きている者は、
農業を中心とする生活形態が思想の根幹にあり、
志のすえかたは、じみちな作業のすえに
秋の収穫を待つ心境に似ているので、
投機をふくむ商業という危険のはらんだ
実利的な契約世界に関心がない。
===========================
という三河人のDNAの解説までしてもらえると
自分自身を解説してもらっているようで
思わず膝を叩いてしまう。


◆本書において、家康の祖父「清康」の偉大さを
初めて知った。
帯にある「家康の天下統一は関ヶ原の七十年前から
始まっていた」の意味がよくわかった。

第一巻の最後で、その清康は非業の死を遂げた。
二巻はどういう展開になるのだ!?
早く読みたい!!
Livedoorブックスよ、早く送ってくれ〜〜

800円で時間を忘れるほど
丸々一日楽しませてもらった。
幸せだ。
愉しすぎる。。。

風は山河より

今日は午後から息子の歯科矯正で高浜へ。
高速道路でいけば、1時間かからずに行けるのだが
最近わが街周辺の高速道路は事故多発。
ほとんど毎日のように事故渋滞。
今日も途中で降りて、
一般道で2時間以上掛けて向かう。

ただ下で行くと、途中にあるブックオフに
行けるのがありがたい。
数ヶ月ぶりに安城のブックオフに立ち寄る。

いつの間にかクレジットカードが使えるように
なっていた。\(◎o◎)/!
いつの間に!?

大阪の難波駅そばの店舗で一度だけクレジットカード
が使える店に偶然入ったことがあったが
こんな身近な所にあったとは!?
灯台もと暗し、とはまさにこのこと。

やはり定期的にいろいろな店を回らないと行けないな〜。
しかもキャンペーン中で200円分の商品券もゲット。\(^o^)/
でも今月いっぱい。
しかも安城店のみ有効。
もう一度今月中に行かないといけない。
良いような、悪いような。(^◇^;)
まぁいいや。
機会があったら行ってみよう。

今日は何がうれしいといって
せどりとは別に個人的趣味でずっと探していた
宮城谷昌光「風は山河より 第一巻」
が手に入った。
超うれしい〜〜。(=●^0^●=)
定価で買えば、むろんすぐ買えるのだが
せどりを副業にしている者として
新刊本を買うのはどうも「敗北」を意味するようで
癪なので、よほど急いでいる本でない限り
新刊では買わない。

=========================
早朝から暑気が熾(さか)んで、日が中天をすぎたいまでは、
道傍の草木は燬(や)かれたごとく黒ずんでいる。
蕩揺(とうよう)する陽炎のなかをゆく人と馬の影は、
この世ならぬ儚さにみえる。
この暑さでは、野で働く人影はなく
深い翳(かげ)を秘めた山野の緑の静寂だけがあった。
=========================

1ページ目からゾクゾクするような漢語の連続に
久しく忘れていた、司馬遼太郎を読み耽っていた
あの頃の「感覚」を思い出した。
楽しませてもらえそうだ。

アぁ〜〜、幸せすぎる!!
348ページも楽しめる。
(T.T) うれし泣き
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