精神科医が見つけた3つの幸福 [ 樺沢紫苑 ]
20代の頃、幸福について考えた。
そこで悟ったのは、「幸せ」という客観的・普遍的なものは存在せず、
「幸福感」という主観的基準しかないということだった。
以来ずっと、「自分にとって」幸せかどうかを基準に生きてきた。
他人の基準では意味がないからだ。
本書では、その「幸福感」をさらに3つに峻別している。
1.「成功・お金」(ドーパミン的幸福)
2.「つながり・愛」(オキシトシン的幸福)
3.「心と身体の健康」(セロトニン的幸福)
1<2<3の順により根源的で重要であることを認識することが大切。
換言すれば、お金は大切だが、健康でなくてはそれも意味がないということ。
さらに1と23は大きく異なり、1だけは有限で慣れが来て時間とともに
減退すること。宝くじの当選の喜びは数ヶ月か半年程度しか続かない。
また、アルコールを飲んでもドーパミンは出て、これがアルコール依存症の原因。
私自身は下戸のため、一滴のドーパミンもでないが、
幸福物質がでているから、酒をやめられないのだ!
腑に落ちた。
自分が試験に合格するのは、「ドーパミン的幸福」
自分の教え子が合格するのは「オキシトシン的幸福」
だから、後者の幸せ感の方が大きいのだ。
納得。
恋愛時代は「ドーパミン的幸福」。だから2年程度で燃え上がるような恋愛感情は消える。
しかし、結婚してともに生活していくと、「ドーパミン的幸福」となり、永遠に続く。
今まで不思議に思っていた現象の背後の理由が解析できて非常に爽快な本。
スッキリ納得できる一冊。