Ordinary

日常生活の些細なことに幸せの種を見つけて楽しんでいる平凡なオヤジの視点

タグ:本が好き!

4

愛と感謝の美容室 バグジー 1―『心を育てる』感動コミック VOL.1
Amazonで購入
livedoor BOOKS
書評/ビジネス


斎藤一人さんが美容室を経営すれば、
おそらくこんな風になるのではないか、
と思わせる。

腕は超一流であるが、経営者としては三流の
カリスマ美容師があるセミナーをきっかけに
「経営」に目覚め、「人として」成長していく過程を
描くサクセスストーリー。

会社をひとつの「家族」と考える「大家族主義」を貫き
皆で助け合い、成長し合う姿はたしかに美しい。
琴線に触れる言葉も散見される。

ただ、「仕事」と「家庭」を峻別したいと
考える人には耐え難いだろう。
「社員旅行に参加しない者は問答無用でクビ」
である。(^_^;

机上の空論でなく、実際に結果も出しているのだから、
部外者がアレコレいうことは何もない。

好き嫌いがはっきり分かれる本。
ゼロか100か。
私は思想的には◎だが、
この職場で働きたいとは思わない。(笑)

近すぎる人間関係は苦手なので。
遠すぎるのは耐えられるが、
近すぎるのは耐えられない。

コミックなので30分もあれば読めてしまう。
手軽に読めてしまう分だけ
軽く読み流してしまいそう。
個人的には普通の単行本で読めば
もっとよかったのかも。
と、いうことで★4つ。



5

おしゃべり目玉の貫太郎
Amazonで購入
livedoor BOOKS
書評/健康・医学



いいたいことが頭ではわかっているのに、
言葉が出てこないことがある。
のどに手をあてて、「ここまで出てきてるのに・・・」
というあれである。

たった一言のことばが出ないだけでも
非常に気持ちが悪く、ストレスが溜まる。
それほど「話す」という動作は人間にとって
不可欠な、根源的な動作。
普段何とはなしに話をしている我々だが
ある日突然ことばを発することができなくなったら。。。

頭は全く正常で、普通に思考でき、相手の言っていることは
全部わかるのにこちらからは言葉を発することが出来ないという
恐怖・苦痛・絶望。
考えただけでも背筋が凍る。
そういう目に実際にあった方がいる。
鈴木貫太郎さん。74歳。

47歳の働き盛りのときに
ゴルフのプレー中、誤って崖から転落し
コンクリートの側溝に頭を強打した。
脳幹部の太い動脈に血栓が生じ、
医師からは「この状態で生き延びた例はほとんどない。
生きながらえても植物状態です」と宣告される。

意識ははっきりしているので外部からの情報は理解できるが
自分の意思を表現する手段がなく、
厚い壁の小部屋に閉じ込められた状態にある。
専門的には「ロックトイン症候群"Locked in syndrome"」というらしい。
日本名は「閉じ込め症候群」
何と恐ろしい病名だろう。

著者は貫太郎さんの奥さんである公子さん。
お二人を中心にご家族の反乱万丈の半生を描いている。

前半は怪我をする前までの生活と怪我をしてからの苦労が
語られている。

むろん、怪我が怪我だけにその苦労は筆舌に尽くしがたく
その内容は非常に重い。
しかし、不思議なことに読んでいても決して湿っぽくない。
愚痴っぽくない。彼女の性格だろう。

何とか意思の疎通を図ろうとお二人が模索して
いきついた手段が目玉を動かす方法。
はじめはYesなら目玉は上にし、NOなら下にする。
二者択一だけだがそれでも最低限の疎通は図れる。

それが進むと、奥さんがアカサタナと横に読み
合図があると今度は縦に下がって文字を教える方法。
「ア、カ、サ、タ、ナのサ行」
「サ、シ、ス、セ、ソのソ」
「ハ、マ、ヤ、ラ、ワのラ行」
「ラ、リ、ル、レ、ロのラ」
で「ソラ、ね」
という具合。

気が遠くなる作業だが、意思の疎通が図れるのだから
なにもわからないより何倍もいい。
それを「アカサタナ会話」と名づけている。
その会話は最初、公子さんとしか出来なかったが
次第に看護婦さんも出来るようになっていく。

後半からは、ワープロ・パソコンを得て、
一層二人の世界の共有に拍車がかかる。
あちこち旅行にでかけ、
インターネットとメールにも夢中だという。

これほどの重篤な病人の話でありながら
不謹慎ながら笑ってしまうほど。
それほど文章は明るい。
いや明るさを忘れなかったからこそ
乗り切ってこられたのだろう。

余命幾ばくもないと、
医者から宣告された貫太郎さんはその後
ずっと生きながらえ、今年で27年も経過した。
貫太郎さんの生命力もすばらしいが、
それより公子さんのたくましさには頭が下がる。

人から「えらい」といわれると彼女は答える。
=================
私は「えらい」から逃げ出さないのではない。
逃げるほうが怖い。
動けない人を置き去りにして、
楽しい日々が送れるだろうか。
逃げるより、
正面から向かっていくほうが、
じつはずっと楽なのだ。
=================

「希望を持ちすぎず、絶望しすぎず」
と、彼女はいう。

=================
日のあたる場所を闊歩していた頃の貫太郎には、
正直不満を感じることもあった。
でも目玉しか動かせなくなった貫太郎は
元気なときよりずっと好もしい人間になった。
それは私にとっては喜ぶべき誤算だった。
=================

すばらしい人生だから生きるのではない。
途中で投げ出さず、
生ききるから人生はすばらしいのだ。

人生の妙味は視野の狭い一人の人間には
計り知れぬ程の屈折と深奥をもって示される。
ひとは目の前に出された「現実」を
ただただ受け入れて、
味わい尽くせばそれでいいようである。

「読書の秋」にピッタリの一冊。すばらしい本だった。



3

天国で君に逢えたら
Amazonで購入
livedoor BOOKS
書評/国内純文学


題名が余りに「ベタ」である。(笑)
それで「本が好き!」での献本を知っても
すぐには申し込む気になれなかった。

この夏、義母が「癌」で他界したのを機に
ふと本書を読んでみたくなった。

しかし・・・

何かが違う。
「抗ガン剤」「手術」「放射線治療」「がんセンター」
数ヶ月間あれほど聞き飽きるほど聞いた言葉なのに。

39歳の男性と62歳の女性では、
その死を取り囲む環境が余りに異なるからだろうか。
義母の死が小説の中の風景に投影できない。

むろん、共感できる言葉はいくつかあった。
=================================
結局自分が死んでからも残るものって、
”人に与えたもの”それだけだ。
その中でも大事なことは
”目に見えないもの”だって
いうことに気がついたんだ。
=================================

ただストーリー全体を貫く「明るすぎる」
小説空間にどうしても違和感を覚えた。
「手紙屋」のプロットもどうも腑に落ちない。

個人的には、このような「小説」という形でなく、
「ノンフィクション」として描いて欲しかった。

個人的には☆3つ
最初の直感が残念ながら当たってしまった作品。



5

病気になる人、ならない人
Amazonで購入
livedoor BOOKS
書評/健康・医学


私の義母は4ヶ月前に「癌」の末期であることを宣言された。
現代医学では手の施しようがない、という医者からの宣告。
義母自身と娘(私の嫁と義妹)の3人がそれを聞き、
義母は人目を憚らずに号泣したという。

実質的にもう医者から「治せません」と宣言された以上
失うものは何もないので、ぜひ正観さんの本でも読んで
「がんを受け入れ」、「感謝する」人生に転換できるかも
と、私はわずかな期待に賭けた。

「プラスの言葉をいつも発すること」
「感謝して、何事も受け入れるといいよ」等々、
嫁がそれとなく伝えた。

しかし、「新興宗教みたいでこわいねぇ」と
受け入れてもらえなかった。
ほんのイントロのイントロ程度の情報で
これほどの拒絶反応をされてはもうおてあげ。(^_^;
義母は無神論者で、神も、霊も、来世も
全く信じていなかった。

3日前、義母は残念ながら逝去した。

もしもあのとき、一人さんや正観さんの本ではなく
本書のような現役バリバリの医師自らが
病気の原因は「心のもち方にある」と宣言し
数々の症例と共に癌を克服した人の話を紹介していたら
義母は受け入れてくれたかもしれない。
そう思うと残念でならない

内容的には正観さんや一人さんの本にすべて書かれている
ことで、特にこれと言って新しい情報はない。
私としては正観さんの主張の正当性を裏書きしてくれたな、
という程度。

ただ、
無宗教で、霊の存在は信じない、「現実主義」な方。
一人さんや正観さんの本を胡散臭いと感じるような方。
「西洋医学万能」を信じて疑わない方。
このような方が病気になったとき、
ほんのちょっと「視点」を変えるのには、
本書は非常に効果的。
現役の医師が書かれていることなので説得力は抜群。
いわば「医学書」の装丁をした「人生論」といってよいだろう。



5

秘伝 大学受験の国語力 (新潮選書) (新潮選書)
Amazonで購入
livedoor BOOKS
書評/教育・学習



私も30年程前、人並みに受験勉強に励んだ。
尚、この「人並み」には「一浪」も掛けている。(笑)
ただ、勉強そのものは嫌いでなかったので
世間で言われるほど、「灰色」でも「憂鬱」でも
なかった。

文系だったが、実は一番の苦手教科は「現代国語」だった。
本書でも触れられている「新釈現代文」も読んでみたが
全く何のことか意味がわからず、「右から左へ」
受け流していただけだった。(×_×)

「Z会」も挑戦したが、基礎力のない者には
手に負えるはずもなく、無惨な玉砕を遂げた。
浪人時は、ワラにもすがる思いで堀木先生の授業を受講したが
解説されればわかるものの自分自身で
納得して解けるというレベルまではついに到達できなかった。
そんな悲しい思い出がある教科である。

結局、コストパーフォーマンスが悪いのだ。
歴史や英語のように掛けた時間の分だけ
きちんと点数でかえってくればやりがいもあるのだが
「現国」は私にとっては、そういう科目ではなかった。

仕方なく、小西 甚一先生の「古文研究法 改訂版
を1冊仕上げ古文でほぼ満点を取って、
現国の点数のムラを補う作戦を
とるほかなかった。

閑話休題。
さて本書。
前半では戦後の大学受験国語の傾向を俯瞰し、
後半では問題を実際に解きながら
現在の大学受験問題の特徴を明示する。

「国語は道徳である」という主張する。
小説の答えは「自由に読む」のではなく、
「学校空間にふさわしいようによむ」のが正解。
つまり「個性」を試しているのではなく、
昔あったテレビ番組「クイズ100人に聞きました」
のように世間の平均値を知っているかを問うている、
という指摘は、まさに目から鱗。

「評論文」も「小説文」の読解同様
基本の鉄則を1つだけ掲げ、それに従って解説していく。
何十もの公式を覚えさせるようなこともなく
参考書にありがちな「はじめに答えありき」式で
ないのもよい。

前述書「古文研究法」ほど学究的ではないにせよ
条理明晰に受験問題を分析し、解説している。
文章も硬軟織り交ぜながらとても読みやすい。

この理論で数年後、息子の受験問題を
教えてみたい、そう思わずにはいられない本。
受験生はもちろんだが、大人が読むと一層おもしろいだろう。
「現国」ってこういう科目だったんだ!、
と改めて目が開かれるに違いない。


4
半世紀近い自分の半生を振り返ってみた時、
大きな人生の節目は三度あった。

一つ目は初めて親元を離れ、東京の大学に上京した時。19歳。
二つ目は結婚。33歳。
三つ目は息子が生まれた時。35歳

その中で最も大きな節目は三番目の子供が出来たことだろう。
いや正確に言えば、それ以後の子育てをしていく過程の
この十年の変化が他を圧倒するほどの大きさを持つ。

それまでの自分は「父性」はあったと思うが
「母性」という視点を全く持たなかった。
しかし息子を授かることによって、
「慈しみ」というものを学んだ。

むろん、男である以上、「出産」という意味での
生物的「母親」にはなれないものの、「慈母なる心」、
すなわち、精神的な意味での「母性」を学ぶことは出来る。

逆説めくが、私自身は「母性」を知ることによって
「父になれた」と言う気がしてならない。
ただこれは無論、私個人の実感である。
他の人には他の人の「父性」があるだろう。
お父さんの数だけ「父性」が存在していいと思う。
人それぞれ今生での課題がある。

本書はパリで20年以上過ごしてきた筆者が
自分自身が見てきたフランス社会の「お父さん事情」を
様々な事例をあげて紹介する。
それと同時にフランス史も俯瞰し、「父性」の歴史的変遷も示す。
さらに宗教・精神分析にまで及ぶ。
いわば「父性」という概念を縦糸と横糸の両面から分析する。

また、フランスの「父親像」を示しながら、
それを模範的尺度とし、
「だから日本人のお父さんはダメ!」
と短絡的結論を下していない点も清々しい。


赤ちゃんの半数が非婚カップルから生まれるというフランス。
今の日本社会とは余りにも異なる。
が、将来の日本はそうならないという保証はない。

むしろ
>フランス女性の要求の高さに辟易した
>男性たちがインターネットのお見合いで外国人女性を
>妻に迎えるケースが増えている
という事例を読むと
日本の現状と余りに似ている。
その対象がロシア女性か東南アジア女性かの違いだけだ。

>ちがう文化や国に向き合った時、私たちはそこに投影される
>自分の影に気づき、はたと振り返り、より客観的な視線を
>自分の実像に投げかける契機を掴むことができると思う
と、本書を書いた目的を著者は述べている。
その通り、見事にそれを実現してくれている。

今現在お父さんの人も、これからお父さんになる予定の人も
国は異なるが「父親」の現実の姿を知っておいて損はない。

国は違っても「父親」になるのは容易でないようだ。
が、これほどおもしろい「役回り」もない。
今現実に「父親」であるひとりの男として
その点だけは断言できる。

-----------------------------------------
「本が好き!」プロジェクト本年度15冊目参加作品。
評価:★★★★☆
本年度戦績:9勝4敗2分
3塁打
-----------------------------------------


フランス父親事情
  • 著:浅野 素女
  • 出版社:築地書館
  • 定価:1890円
livedoor BOOKS
書誌データ / 書評を書く





4
How-to本というのは私は余り好まない。
読んでいる時は「なるほど!」と思っても、
いざ自分でそのテクニックを使おうとすると
ほとんど使い物にならない。
というか、使いこなせないことがほとんどだったから。
だからHow-to本はこれまで意図的に避けてきた。
本書も申込み時に躊躇したのだが、
他のメンバーの方々から高い評価を得ていたので
思い切って申し込んでみた。
で、読了結果だが・・・

大正解\(^O^)/
「まるでマジック!!誰もが驚くスピード暗算の秘訣」
というキャッチコピーに偽りはなかった。

数々の技が披露されており、
その度に紙で実際に計算してみて
まさにその通りであることに感嘆。
それを嫁と息子に教えてまた皆で驚嘆。
その連続。
単純な計算でも視点ひとつで
これほどおもしろい知的ゲームになることに感動。

全部マスター出来たわけではないが
1)32×11のように11を掛ける計算
2)34×36のように1桁の合計が10で、
二桁目は同数のかけ算
3)2桁の数字の2乗
は1秒以内に出来るようになった。

後半難しくなり完全に私の手に余ったが
前半だけでも十分楽しめた。

学生にはまさにそのまま血となり肉となる
計算テクニックを、
大人には今大流行の「脳トレ」の絶好の題材を
提供してくれるだろう。
1500円は全く高くない。

その昔、こんな本も読んだが、
これよりはかなり本格的かつ実用的。(^_^;;

普段使わない部分の脳を使った感じで
絶好の週末のブレインストーミングになった。
文系人間でも楽しめる一冊。

-----------------------------------------
「本が好き!」プロジェクト本年度14冊目参加作品。
評価:★★★★☆
本年度戦績:8勝4敗2分
3塁打
-----------------------------------------



暗算の達人
  • 著:アーサー・ベンジャミン、マイケル・シェルマー
  • 出版社:ソフトバンククリエイティブ
  • 定価:1575円
livedoor BOOKS
書誌データ / 書評を書く




4
「本が好き!」プロジェクト参加作品

「文は人なり」といわれる。
それと同じように「音も人なり」といえるだろう。

たとえば、テーブルに物を置く時にどんな音をだすかで
その人の性格の一端を推し量ることができるだろう。

また一度も会ったことのない人でも、
電話口で1分も話せば、そこはかとなく
相手の人柄が感じられるもの。

無意識の行動においてすらこうなのだがら
意識して弾くピアノの音に
演奏者の人格が表現されないはずはない。

私自身30歳の時に数年間だけピアノを習った経験がある。
安価だがピアノも買った。
むろん、モノにならなかった。(笑)
が、ピアノには人並み以上に興味はある。
自分では弾けないが、多少なりとも聴く耳はある。

小鳥がともにさえずり、風がながれるピアノの音流は
確かに存在する。妖精がうれしくなって踊り出すような音色が。
たとえば、「Whispers of Fairies」。

文字を読んでいて音が流れているような
不思議な快感を味わうことができた。
音楽好き、特にピアノ好きには心地よい一冊。

聴力を失った「うた」(主人公)が
「すべてのものには振動があり」
「声を出してはねかえってくる振動を顔でうける」(vol.3 P.270)
と言った時、先日テレビで見た聴力を持たない人々の「千手観音」の
美技の秘密の一端がわかったような気がした。

「本が好き!」プロジェクト今年10冊目の参加作品。
私の中では★★★★☆
久しぶりのクリーンヒット\(^O^)/
本年度戦績:6勝3敗1分



神童
  • 著:さそうあきら
  • 出版社:双葉社
  • 定価:600円
livedoor BOOKS
書誌データ / 書評を書く

2
う〜〜ん、2冊連続はきついなぁ。
一生懸命入っていこうとするのだけれど
この文体、話のリズム、テンポ。
呼吸のすべてが合わない。

これを「おもしろい」というのですね・・・
年齢?性別?
わからない。
感性の違い。

所属クラブの後輩に惚れる男の物語。
シチュエーション的には私でも十分理解できる
と思ったのだが、どうも私が求めている純愛ストーリー
にはほど遠かったようだ。

もっとストレートな恋物語を期待していた。
たとえば、村山由佳「おいしいコーヒーのいれ方
これをど真ん中の直球としたら、
本書は外角低めのスクリューボール
のようなクセのある球筋。

「職業は天狗」「韋駄天コタツ」
「鼻毛の男」「象の尻」「偏屈王」
ここは笑うところなのでしょうか!?
全く笑えない。

ず〜〜と昔にもこれと同じ感覚を
味わった記憶がある。
いつだろう・・・

そうだ!?
大学時代のコンパってやつだ。
皆、楽しくお酒を飲みながら
ワイワイ、ガヤガヤやっている。
肩組んでカラオケ歌いながら
「青春だ〜〜!」みたく盛り上がっているのを
横目で見ながら、
「なんでそんなに楽しそうなんだろう?
こういう事が皆本当に楽しのだろうか?」
と、思った。
その時と全く同じ感覚。
この著者の酔っぱらいのような文体がどうにも性に合わない。
屈折ありすぎ。
まだるっこしい。

作者の問題ではありません。
読み手との相性の問題です。

「カワイイ」「おもしろい」「大傑作」
だと皆さん大絶賛されてますので、
きっとそうなのでしょう。
ただ私には全く理解できないだけです。

ストレートはもう飽きた。
ちょっとクセのある恋愛モノを求めている方には
大いに楽しめると思います。

ただ、私のような正統派の感動的物語を
欲している者には苦痛の半日を強いることになります。

今回も「本が好き!」プロジェクトがなければ
決して手にすることのなかった作品に出会えました。

自分に向かないモノを知ることもまた
自分の個性の一面を知る事になり、
一興ではありますから・・・


夜は短し歩けよ乙女
  • 著:森見登美彦
  • 出版社:角川書店
  • 定価:1575円
livedoor BOOKS
書誌データ / 書評を書く


2
私は46歳の男。結婚13年で子ども1人。
37歳で独身の女性の主人公ハナとは
置かれている環境が大きく異なる。
それ以上に男女の違いだろうか。

この主人公ハナに共感が全くできない。
感動もしない。違和感100%。
全くわからないといった方がいい。

試行錯誤しながら自分探し(?)をしている独身女性と
いうのはこういうものなのでしょうか。

「違うなぁ〜」「全く的はずれだなぁ〜」
とブツブツいいながら読み進めた。

古着屋から布絵本へと世界を拡げるも
今一歩満足しきれない。
何かが違う、と彼女は感じている。

最後には、失敗してもまたイチから
歩きだそう・・・
みたいな余韻を持たせていますが、
私に言わせれば今のままのハナでは
きっとどんな新たなビジネスを展開しても
心の充足は決して得られないでしょう。

それは外側の問題ではなく、
自分自身の内なる問題だから。

目の前にハナがいたら、私は彼女に
こういうだろう。
==============================
結局、君は自分のことだけなんだよ。
自分を満足させることに集中している限り
決して幸せにはなれないよ。

幸せはどこにあるか知ってるかい?

「あなたがいてくれてよかった。ありがとう」
といってもらえること。

人から「感謝されること」「喜ばれること」
が人間の最大の喜びなんだよ。

一度それを味わってしまったら
もうほかの何物にも替えられないよ。

まずは「感謝」なさい。
君は日常会話に「ありがとう」が
全く出てこないよね。
人は自分が与えたものしか受け取れないんだ。
自分が感謝しないから、人からも感謝を受け取れない。
単純なことだよ。
=============================
説教臭いオヤジの独り言でした。<(_ _)>

全く疲れる作品だった。
それでもここまでおじさんを熱く語らせてしまう
という意味では「スゴイ」作品なのかもしれない。f(^ー^;



  • 著:角田 光代
  • 出版社:角川書店
  • 定価:1470円(税込み)
薄闇シルエット
livedoor BOOKSで購入
書評データ


↑このページのトップヘ