実在するある営業所もモデルに、
成績最低のセールスパーソンたちが
ある出来事をきっかけに目覚め、
己の殻を破り、開眼するまでの
波瀾万丈のサクセスストーリー。

奇跡の営業所
森川滋之
きこ書房 ( 2009-02-28 )
ISBN: 9784877712457
おすすめ度:アマゾンおすすめ度


前半6割が物語で、後半4割がその解説という形式で、
前半で象徴的に語られている部分を
後半部分で引用しながら敷衍している。
わかりやすい。
装丁も品良く私好み。
本文中にある多数の写真も
本の内容にマッチしていて効果的。

私が時々行くラーメン屋の壁にこんな意味の貼り紙がしてある。
「自分のためにする努力は有限だが、
他人のためにする努力は無限」
エッセンスはこれと同じだろう。

「働く」の語源は「傍(はた)」を「楽(らく)」
である、という。
自分より他人の笑顔のために。
それがわかると、1ステージ上に行ける気がする。

私自身はずっと「教師」という職を転々としているので
営業の経験はない。
が、教師にあってもここで語られる教訓は応用できる。
たとえば、
「売ることをあきらめる」と「売れる」
という教訓は、
「勉強させることをあきらめる」と「勉強する」
と、置き換えられるだろう。

また「チームで働くときの心構え」(P.158)
チーム内の役割分担の話はとても参考になり、
また反省させられた。
自分自身の秋学期の課題としたい。(^o^)

ところで、本書を読みながら以前どこかで同種の本
を読んだことがあるとずっと感じていた。
エピローグで福島正伸先生の名前が出てやっと気づいた。
先生の「リーダーになる人の たった1つの習慣」で
流れている空気感と同じだったんだ!
著者は福島先生を師事しているらしい。
納得。(^o^)

営業職に行き詰まっている方はもちろん、
仕事そのものに光が見えなくなっている方々にも
推薦したい。
心温まり、もう一度顔晴ろうと思える名著。

2009年度ブックレビュー#65