毎週月曜日の朝、大のお気に入り、
ASADA JIRO LIBRARY」が更新される。

30分ほどのラジオドラマなれど、
文章の旨さと切なさとどんでん返しな展開で
車の運転の時間を最上級に満ち足りたものにしてくれる。
朗読者が毎回異なるのも趣きが変わってよい。

今週のストーリーテラーは池上季実子
最近TVでは殆ど見かけないが、
演技力の旨さは承知済み。
その彼女がどんな朗読を聞かせてくれるか
楽しみだった。

車に乗ってもすぐには聞かない。
5分ほど走って、東名のインター入ってから
おもむろにスイッチオン。

この間が大切なのだ。(笑)

重い低い彼女の声が暗い過去の重荷を
背負う主人公の女性を見事に投影している。
一流の女優は声優としても一流ということか。
これまで意外な美声を持つコメディアンもいて
新しい発見もあったが、やはり本格派の女優は
一枚も二枚も違う。、
過去13話すべて複数回聞いているが、
個人的には一番うまいと感じた。

ストーリー的な面白さは「4・14夕暮隧道」「6・2月島慕情」「6・16鉄道員ぽっぽや」の方が上かもしれないが、ストーリーテラーとしてのフィット感は今回の池上季実子がダントツ一番。

人生の粋も甘いを体験した大人の女性でないとあの物語の風情と味わいは表現できないだろう。

あまりに感動したので、帰路でもまた聞いてみた。
2度めに聞くと、1度目に聞き逃した様々な伏線が改めて
見え隠れして面白い。

30分のラジオドラマでさえ、これほど面白いとは、原作者浅田次郎氏のストリーテラーとしての並外れた才能に脱帽するほかない。徐々に明らかにされてゆく主人公の過去の暗い記憶の告白にTVサスペンスでもこれほどのハラハラドキドキ感は味わえまい。

願わくば少しでも長くこの番組が続くことを心底願う。

来週の語り部は西田敏行。 
これまた面白くなるに違いない。(^O^)
1週間後が早くも楽しみ。