「題名」「表紙」「角川つばさ文庫」
「小学上級から」「全ての漢字にふりがな」
知命近い男が読む類の本ではない。(^_^;)

スノープリンス  禁じられた恋のメロディ (角川つばさ文庫)
文:百瀬 しのぶ
角川書店(角川グループパブリッシング) ( 2009-09-15 )
ISBN: 9784046310521


本書に興味を持ったのは
原作が小山薫堂さんだったから。
彼が原作なら私の感性に合うことは必至。
逆に、彼が絡んでいなかったら、
私のフィルタには全く入ってこなかった作品。

事実、読み始めた瞬間から話の中に
一気に引き込まれる。

ジャンルは「児童文学」なんだろうが、
とても舐めてかかれない。
大人の鑑賞にも十分耐えうる。
大きい声では言えないが、読みながら号泣。
わが感性に深く突き刺さる。
単に涙もろいだけかもしれないが・・・(^_^;)

「野菊の墓」と「スタンド・バイ・ミー」を足して2で割り、
「フランダースの犬」と「小さな恋のメロディ」を
隠し味に0.2ずつ付け加えたような作品。

懐かしく、そして切ない。
もっと牧歌的な結末を予想したが、
最後のあの大どんでん返しには驚かされた。
さすが薫堂さん、いい意味で
読者の予想を見事に裏切ってくれる。

本書は「小学生上級以上」を対象にしているだけあって、
全ての漢字にはふりがな振られており、しかも「子犬」が
登場し、しかも甘酸っぱい「恋物語」の要素もある、
これまであまり読書慣れしていない小学生、とくに
女の子が読書に親しむのに最適な一冊であると思う。

尚、読了後知ったが、
年末にはロードショーも決定している。
「おくりびと」の脚本家ということで
話題になることは間違いない。
超楽しみ。(*^_^*)

2009年度ブックレビュー#76