昨年読んだ「自己プロデュース力」の
元になった吉本総合芸能学院特別授業を収録。

紳竜の研究 [DVD]
島田紳助、松本竜介, 島田洋七 島田洋八, オール巨人 澤田隆治 他
アール・アンド・シー ( 2007-05-30 )
おすすめ度:アマゾンおすすめ度

その他に、1980−82年紳助・竜介黄金期の
実際の漫才をも収録している。
さらに副音声で島田洋七の解説入り。
この分析がスゴイ。
プロの笑いはかくも計算し尽くされているのかと
再認識した次第。

当時20代前半だった私もよく覚えているネタ多数。
いま見ても十分面白い。
懐かしい。
当時気づかなかったが、紳助竜介のお笑いの
リズムは師匠であるB&Bと同じであることが
よくわかった。

一番のメインの授業内容は「文字」ですでに読んでいるので、
新鮮味はないものの、彼の口から直接語られると
非常に説得力が増す。

「笑いの教科書の作り方」
「売れるために一番大切なこと」
「M-1の戦い方」など、売れている芸人が
絶対口にしないような裏技まで披露している。

30年前にはただ漠然と「オモシロイな〜」と見ていたものを
こんな形でネタばらしされると、こんなに深く計算され尽くして
いたのかと驚愕すると同時に、興醒め感がなくはない。(^^;;

自分の得意領域を「X」、時代の流れを「Y」として、
自分たちが売れるための方程式を計算する「XY」理論は
どんな分野でも通用する普遍的な成功哲学だろう。

ただ、授業中も彼の顔に明るい表情が
全く見えないのが私にはどうも引っかかる。
人を笑わせる側は計算に計算を重ね、
笑いをとるのであって、自ら楽しんでいるわけではない、
と言われればそれまでだろうが、
そんな苦労をして笑いをとるくらいなら
私は楽しく笑う側にいる方がいい。

確かに成功はしているだろうが、
彼自身本当に成幸かどうか・・・!?

私は所ジョージ的な生き方の方が好き。
所さんにある、ホノボノとした明るい波動が紳助氏に
感じられない。
人生を楽しんでいるようにはどうしても見えないのだ。
が、それは私が知るところではない。
彼自身に聞いてみないと。

「成功」を求める人には必須の映像。
「成幸」を求める人には必ずしも必要ではない。
の時と同じ感想になってしまうのは当然だろう。